今回は『Dr.スランプアラレちゃん』の初代声優さんとして活躍された小山茉美さんについて声優になるまでの経緯やこれまで出演された代表的なテレビアニメ作品のキャラクターなどについて詳しく調べてみました。また、作品内でアラレちゃんを開発したとされる則巻せんべいの声を担当していた声優・内海賢二さんが亡くなられた際に小山茉美さんが送った追悼の言葉を最後にご紹介しています。
◆2019年突如、懐かしの『ドクタースランプアラレちゃん』に昭和以来の再会。画像
つい先日の事ですが、我が家の娘が「どうしても買って欲しい、勉強頑張るから。」と懇願してきたアイテムを見てびっくりしてしまいました。
画像:電ホビ
「んちゃ!」
あ、あ、アラレちゃん!!!
突然の再会にとてもビックリし、そして何故アラレちゃんが今ココへ??と時空間に若干の混乱をきたした私でしたが、どうやら、数年前から子供たちの間でDr.スランプアラレちゃんが地味に流行っているようです。(娘談)
すごーい。ちょっと感激。
画像:Amazon
貴女の事をうっかりわすれてたよ!
キノコちゃん!(叫)
画像:https://ameblo.jp/yuzumama0325
昭和の子供だった私からすると、明らかに「ザ・昭和」なキャラクターデザインだと思っていたのですが、今のスマホを持つ子供たちの心もしっかり掴んでいるというのがなんだか不思議です。

ちなみに耳の横の羽はアラレちゃんの真似です。
今回はそういうわけで、ご縁のあったDr.スランプアラレちゃんとその初代声優を務められた小山茉美さんについて調べていきたいと思います。
◆初代声優・小山茉美(小山まみ)さんが主役の【則巻アラレ】の声を演じる『Dr.スランプアラレちゃん』は昭和のいつ放送されていたのか?画像
昭和の時代のテレビ放送ではタイトルは『Dr.スランプアラレちゃん』でその名前が浸透していたと思うのですが、厳密にいうと原作者である鳥山明さんの漫画作品としてのタイトルは『Dr.スランプ』というものだったそうです。
画像:amazon
『Dr.スランプ アラレちゃん』のテレビ放送は1981年4月8日(昭和56年) – 1986年2月19日(昭和61年)までの全246回だったのだそうです。5年間も放送されていたアニメだったのですね。

うわあ。思ってたより前でしたw
画像:Wikipedia
きぃぃぃーん!。
とにかく元気いっぱいで天真爛漫な主役のアラレちゃんが毎回子供が見てもビックリするくらい大胆で真っすぐな暮らしぶりを展開します。
我々も、きーん。って言いながら
小学生はみんな走っていました(笑)
画像:https://minkara.carview.co.jp
元々、小山茉美さんと鳥山明さんはとても相性が良く、仲良しで、鳥山明さんも小山茉美さんに頼まれて小山茉美さんのレコードジャケットなども手掛けていたそうです。
似てるw
完全に大人になったミドリ先生だけどw
画像:小山茉美公式ブログ
主役のアラレちゃんは少しお行儀が悪かったり、子供ながらに「こういうことはしちゃいけない」と自分がやったら親から叱られるに決まっていると思うような事ほど、アニメの中で躊躇なくどんどんやってくれます。
■映画字幕翻訳の戸田奈津子さんは「あなたの才能は親が心配するようなところにあるのかもしれない」と若い頃を振り返り語っています。
◆声優・小山茉美(小山まみ)さんが最初に『Dr.スランプアラレちゃん』のオーディションを受けた時には別の役だった! 画像
元々テレビアニメが制作される前から原作の『Dr.スランプ』は人既に気の漫画だったようです。アニメ化にあたり、オーディションが行われ、当初、小山茉美さんは「木緑 あかね」役を受けていたのだそうです。これにはビックリです。
画像:https://girlschannel.net
あかね役だった
かもしれなかった!?
しかし、同時に主役の「則巻アラレ」の声優もまだ決定していなかったので受けてみたところ、制作側の関係者から小山茉美さんの声が評価され、最終的にアラレ役として選ばれたのだそうです。
「誰がアラレちゃんをやるんですか?」って興味本位で聞いちゃったのね。そうしたら「まだ決まってないよ。茉美もオーディション受けてみる?」って。
引用元:otocoto.jp
画像:https://ameblo.jp/yuzumama0325
もうあかねちゃんはあかねちゃんで、あの気だるい声が耳に染みついてしまっているので(笑)小山茉美さんの声と変換するのが難しいのですが、それでも無理矢理に頑張って想像してみると、やはり小山茉美さんの声は少し年齢の低い少年少女役の方がしっくりくるのかもしれません。
その中でも、特にアラレちゃんの声に関しては、小山茉美さんの演じた数々の役柄の中でも声としての負荷は当初から大きかったようです。
画像:小山茉美公式ブログ
アラレちゃんのオーディションで、とんでもない声を出したら採用され、その声を持続するのに苦労した。
引用元:1991.7.6 朝日新聞
その声に関する小山茉美さんの苦労は、テレビアニメ『Dr.スランプアラレちゃん』が放送終了した後も再来していました。
◆2016年『ドラゴンボール超』にて悟空とアラレちゃんが共演したことがある 野沢雅子&小山茉美(小山まみ)対談 画像
テレビアニメ『Dr.スランプアラレちゃん』が子供たちに惜しまれながら放送終了した後、時代は流れ、同じく鳥越明さんが率いる『ドラゴンボール』へと展開し、子供たちはあっという間に『ドラゴンボール』の世界にも夢中になっていきました。
2016年『ドラゴンボール超』第43話、69話ではなんと悟空の『ドラゴンボール』の世界にアラレちゃんが登場するという時代を超えた奇跡のコラボシーンが出てきたことで話題となりました。ドラゴンボールは2016年に30周年、アラレちゃんは35周年だったということです。
アラレ「んちゃ!」
悟空「久しぶりだな〜アラレちゃん!」
的な会話ちょっと期待しますた^ ^ pic.twitter.com/jTj5dI7Fxs— Shu- /シューへー (@Avalon_smash) May 15, 2016
その際も小山茉美さんがアラレちゃんこと則巻アラレ役を担当し、悟空役の声優である野沢雅子さんと対談されています。
こっちもこっちで伝説な感じw
画像:toei-anim.co.jp
その対談の中で、小山茉美さんは久しぶりのアラレちゃんの声優役にボイストレーニングをし挑んだという面白いくだりがありました。
小山:アラレ役でこんなにいっぱいセリフがあったのは本当に久しぶりですから、準備はけっこう大変でした。ボイストレーニングに行って、高い声が出るように準備をしましたね。
野沢:やっぱり。「キーン!」がありますもんね。
小山:自分でも声が高くって、「キーン!」の声で自分の頭が痛くなるんです(笑)。ご迷惑をおかけしています…(汗)。
野沢:いやいや、全然そんなことないですよ!ほんとに可愛かったです。
引用元:http://www.toei-anim.co.jp
自分でも『キーン!』の声で頭が痛くなっていた(笑)
画像:toei-anim.co.jp
平成なので、控えめに久々の「つんつくつーん」(笑)
◆『Dr.スランプアラレちゃん』の作者・鳥越明氏、声優・小山茉美(小山まみ)、主題歌・水森亜土は子供たちの世界を豊かに広げた立役者!ツイッター動画
その元気で天真爛漫なアラレちゃんの臨場感あふれる声を担当していた小山茉美さん、その他アニメのキャラクターを支えた声優さんたち、もちろん原作の鳥越明さんや製作スタッフの方々、また、オープニングソングや幾つかのエンディングソングには水森亜土さんも歌ってくれていました。
ドクタースランプ アラレちゃん OP
「ワイワイワールド」
(1981年~1986年)
pic.twitter.com/k4Z7vjEPCm— 懐かCM+α bot (@natukabot) November 26, 2019
子供たちに想像力を育む豊かな幼少期を。
そんな気持ちがたくさん詰まっていたのが『Dr.スランプアラレちゃん』だったのかもしれません。
■アラレちゃんのテーマソングを歌う水森亜土さんの若い頃のお話はこちら
おりこうで行儀よく。
いつも礼儀正しく。
人に迷惑をかけないように。
そう常に親に厳しく言われながら育った昭和の子供たちにとって、アラレちゃんの存在は、ひとつの救いだったのだと。
ようやく大人になった今頃、当時注がれていた子供たちに対するあたたかい眼差しのようなものを感じます。
昭和の時代に置いてきた謎を、
令和時代の今まさかの回収(笑)
現代で仮にゴールデンタイムで『Dr.スランプアラレちゃん』を放送したら、少なくない数の保護者や団体からの厳しいクレームが寄せられるんだろうなあ・・・。という印象も同時に抱きます。
画像:https://maya-taiyoushin.hatenablog.com
そんなにギスギス
完璧にしようとしたら、
子供たちはきっと生きづらくなる。
なんだか楽しい、見ているだけでハラハラドキドキ夢中になる、お友達と一緒にマネして喜ぶ、お友達と一緒に楽しいと私ももっと楽しい!ということを自然と私たちに経験させてくれた、『Dr.スランプアラレちゃん』だったのでした。
とにかくやたら、ピンクのウンチを木の枝でつつくシーンが登場します(笑)。
昭和の子供たち、
全員マネしてましたからw
アー、もう一回 子供に帰って
無邪気に友達と枝でツンツンしたいw
道端のウンチを一緒に枝でツンツンしてお友達になった子供たちも、昭和にはたくさんいたことでしょう(笑)
◆小山茉美(小山まみ)さんは『Dr.スランプアラレちゃん』の初代声優!プロになるまでの経歴プロフィール 画像
小山茉美さんは1955年1月に愛知県西尾市で生まれています。2020年には65歳となります。1歳の時に父親を亡くしているため、シングルマザーの母親の元、兄と小山茉美さんは育てられたようです。
画像:小山茉美公式ブログ
小学校4年生の夏休みに『少年少女世界文学全集』全50巻を僅か10歳で読破したことが将来の方向付けをしたきっかけとなったようです。
「それで目覚めたというか、将来は表現する世界を目指そうと意識し始めたんです」と小山はインタビューに答えている。
引用元:Wikipedia
楽しい世界を自分でつくれる力
私もちょうど、3年生4年生の頃にひとりの世界の充実につながる体験があったので、この時期にそうした心に残る体験があったというのは、とても良く分かる気がします。
画像:https://blog.goo.ne.jp
今では子供から目を離すことが許されない社会となってしまいましたが、子供にとって、親の目の届かないところで育む特別な空想の世界や想像力こそ、本当はとても心の豊かさにとって大事なものなのになと感じます。
◆小山茉美(小山まみ)さんは高校卒業後、劇団・シアターウィークエンドへ所属し「声優」ではなく「舞台女優」へ 画像
小山茉美さんは高校卒業後は愛知江南短期大学入学と同時に、名古屋を中心に活動している国際青年演劇センター名古屋スタジオ・「劇団シアター・ウィークエンド」に第一期生として所属します。
学生演劇をずっとやってきていた小山茉美さんは大学も某私立大学文学部演劇科を目指していましたが、当時は「学生運動」が盛んな時代であり、とても娘一人上京させるわけにはいかない社会情勢だったそうです。
画像:snowrecords
そして、小山茉美さんは声優としてのお仕事の前に、舞台女優として活動を開始したようです。
同年(1973年)、NHKラジオ芸術祭参加作品「16歳のかくれんぼ(山田太一氏・脚本)」の主演に抜擢され
、NHK総合テレビドラマ「キヨコは泣くもんか!」のレギュラー出演で女優として本格デビュー。引用元:小山茉美公式ブログ
初めて小山茉美さんが出演した1975年のNHK少年ドラマ「キヨコは泣くもんか!」では、スタッフの間で毎回装置を壊す女優として有名だったそうです。
小山茉美さんは劇団ウィ ークエ ンド研究生時代から「元気が取り柄だった」(本人談)ようですし、「声だけはデカイ」ということで、声の仕事を始めてからもどうもパワフルな役柄が多いのはその為ではないかと小山茉美さん自身も語られています。
画像:小山茉美公式ブログ
劇団ウィ ークエ ンドに第一期生として入団した、その年にNHKのラジオ芸術祭参加作品の主演、その後NHKドラマ出演と女優さんとしても最初から活躍の場を与えられてのデビューを果たしている小山茉美さんなのでした。
きっと、新人さんであっても「輝く何か」をすでにお持ちだったのでしょう。
◆現在も小山茉美さんは声優だけではなく舞台女優として活躍中!2020年『日本神話イザナミ語り』手塚治虫原作の『火の鳥~黎明編』の再演を予定
一旦近況の話に飛びますが、現在でも、小山茉美さんは『日本神話イザナミ語り』の舞台や、手塚治虫さん原作の『火の鳥~黎明編』の再演など、積極的に舞台でも活躍されているようです。
画像:小山茉美公式ブログ
小山茉美さんが行っているイザナミプロジェクトとは日本文化の継承を目的として日本神話を語り継いで行こうというプロジェクトだそうです。
2020年はヒミコに!
2020年に予定している舞台の『火の鳥~黎明編』の再演ではヒミコ役をされるそうです。
2020年あの手塚治虫原作「火の鳥~黎明編」の復活です!
1979年の初演ではウズメ (左下)を、1983年の再演ではヒナク (右下)を
そして 2020年新たに蘇る「火の鳥~黎明編」、今作ではヒミコを演じます。
2020年2月29日(日)3月1日(土)舞浜アンフィシアター引用元:小山茉美公式ブログ
2020年の『火の鳥~黎明編』はTOKYO MX開局25周年記念と青二プロダクション創立50周年を記念した企画だそうです。その青二プロダクション創立初期の所属声優として新星のように現れたのがまさに小山茉美さんだったのでした。
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◆小山茉美(小山まみ)さんは現・青二プロダクション所属声優へ 現在はナレーションや吹替も多数 画像
1975年のNHK総合テレビドラマ『キヨコは泣くもんか!』のレギュラー出演後、「声」が注目されたこともあってか、前述のように現・青二プロダクション所属声優となります。
画像:小山茉美公式ブログ
ここから小山茉美さんの声優伝説が始まっていくことになります。上京した際はドラマ俳優としてやっていくつもりで東京へ来たのですが、たまたま「声の仕事やったらどうか」という話を頂いたそうです。
小山茉美さんは現在では声優のほかにナレーター業や、吹替のお仕事もされています。
⇒次ページ【小山茉美さんが声優としてレジェンドになるまで。大活躍の出演経歴】
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