今回は天才カリスマ作曲家の菅野よう子さんがプロデュースしたゴールデンコンビと名高い愛弟子の坂本真綾さんとの関係や決別騒動と真相、その後にフォーカスしてご紹介します。
- ◆菅野よう子の愛弟子・アニソン女王の坂本真綾とは?
- ◆坂本真綾かんたんプロフィール&動物占い
- ◆坂本真綾との出逢い馴れ初め「約束はいらない」※インタビュー対談付
- ◆1996年 菅野よう子&坂本真綾の曲の作曲プロデュース開始!
- ◆菅野よう子&坂本真綾ゴールデンコンビの名曲紹介
- ◆2003年 坂本真綾と菅野よう子の「少年アリス」決別騒動・関係について※対談?アリ
- ◆2004年『攻殻機動隊』草薙素子(コドモトコ)の声を坂本真綾が担当
- ◆2008年 坂本真綾と菅野よう子の感動の再演「トライアングラー」(マクロスF)
- ◆菅野よう子&坂本真綾再共演後のゴールデンコンビ曲
- ◆2011年 坂本真綾がエッセイ集『from everywhere.』で菅野よう子に伝えたかったこと
- ◆2012年 菅野よう子にとって坂本真綾は「最初の娘」であり「子育て」だった!?
- ◆坂本真綾の瞳に映っていた菅野よう子とは?インタビュー
◆菅野よう子の愛弟子・アニソン女王の坂本真綾とは?
坂本真綾さんはのちに菅野よう子さんが「最初の私の娘だった」というように、菅野よう子さんが手塩にかけて育て上げた歌手です。しかしマルチタスクの菅野よう子さんの愛弟子とあって、歌手だけでなく、声優、女優、ナレーター、ラジオパーソナリティ、エッセイストと、マルチタスクで活躍されています。

坂本真綾さん
だんだん話の流れからすると、もう驚きもしませんが、当然坂本真綾さんも春生まれの牡羊座となります(笑)。菅野よう子さんはもしかすると占星術で組む相手選んでるのかなあ(笑)?牡羊座が群れを成して菅野よう子さんの周りに登場しています。今回も例外ではなく(笑)。
念のため身近に出てきた牡羊座を列挙
②藤城清治氏 1924年4月17日生まれ
③今井美樹さん 1963年4月14日
④坂本真綾さん 1980年3月31日

菅野よう子さんの場合、関わる人数が人数なのでたまたまだと思いますw
◆坂本真綾かんたんプロフィール&動物占い
坂本真綾さんは1980年生まれなので、2019年には39歳になります!はやい!
◆坂本 真綾(さかもと まあや)
◆生年月日:1980年3月31日
◆出身地:東京都板橋区
◆血液型:A型
◆最終学歴:東洋大学社会学部
◆職業:声優、女優、歌手、ナレーター、ラジオパーソナリティーエッセイリスト
◆ジャンル:アニメ、ゲーム、吹替、ナレーション、ラジオ
◆レーベル:Victor、FlyingDog
◆星座:牡羊座(上記データより管理人算出w)
◆動物占い:「40.気分屋のサル」(上記データより管理人算出w)

牡羊座が好かれてちょっとうれしいです(笑)
気分屋のサル(女の子)の特徴として、「自然に人を惹きつけるカリスマ」というものがあるそうです。このあたり、菅野よう子さんの社交性と大変合致していますね。

坂本真綾さん
次は菅野よう子さんの坂本真綾さんの馴れ初めを少し。
◆坂本真綾との出逢い馴れ初め「約束はいらない」※インタビュー対談付
1996年(菅野よう子さん33歳)、ふたりは運命に導かれたように出逢います。今井美樹さん、小泉今日子さんら女性アーチストのアルバムをプロデュースした後、1996年~2003年には坂本真綾さんのプロデュースを手掛けることになります。テレビアニメ『天空のエスカフローネ』での共演でした。
オープニング主題歌の「約束はいらない」を菅野よう子さんが作曲編曲し、物語のヒロイン役の声を担当していた坂本真綾さんが歌うことになります。これが坂本真綾さんの歌手としてのデビュー作品となります。デビュー作ではありますが、おふたりでタッグを組んで作った曲の中でも「ゴールデンコンビの最高の名曲!」とファンからの支持が大きい人気曲となっています。坂本真綾さんがまだ16歳の時のことでした。

『天空のエスカフローネ』 ヒロインの神崎ひとみの声を担当
その時のことを坂本真綾さんはインタビューでこのように話しています。
オーディションで決まった主役のほかに「主題歌も歌ってみる?」と。まさか自分がCDデビューするなんて、まったく予想外の展開で、嬉しい気持ちとドキドキするというか緊張したというか…。それでも初めてのことに、ひとつひとつチャレンジしていくことがすごく楽しかったな、と覚えています。
最初は主役の声優としてのオーディションだった!
◆坂本真綾から見た菅野よう子の第一印象とは?菅野よう子から見た第一印象とは?
菅野よう子さんの第一印象を「ケーキを買って来てくれた明るいお姉さん」としてしか覚えていないとのちに語っています。
↓この人のことね(笑)

菅野よう子さん
同じ時のことを菅野よう子さんから見たインタビューがこちらです。菅野よう子さんの目からは坂本真綾さんはこのように映っていました。
■-坂本真綾さんと初めて会った時の印象は?
坂本真綾さん高校一年生。劇団の先生に伴われて。歌ってもらうかどうか、まずは会って本人の人となりを見てから決めようと。
雑談の中で、もう反抗期は終わったの?と不用意に聞いたら、なんて失礼なことを聞くのこの人は!という目でキッとにらまれた。その眼を見て、この小娘には<自分>があって、<自分>の気持ちに嘘はつけないな、とわかった。
人となりというか、持って生まれた感性を見てる。
菅野よう子さん曰く、この坂本真綾さんの印象はその後もずっと変わらなかったということです(笑)

キッ
◆1996年 菅野よう子&坂本真綾の曲の作曲プロデュース開始!
ここ(1996年)から菅野よう子さんの坂本真綾さんに対する音楽プロデュースが開始し、坂本真綾さんも歌手活動を本格的に開始します。『天空のエスカフローネ』の劇場版主題歌「指輪」も今でも語り継がれる天才・菅野よう子&坂本真綾のゴールデンコンビの名曲です。

菅野よう子さん
同時期に坂本真綾さんご自身は初のラジオ番組のパーソナリティーとして『坂本真綾のないしょ話』を始動します。実際には坂本真綾さんは8歳の時からCMソングやナレーション、時々テレビの仕事もされていたそうで、多かったのが洋画の子役吹替だとか。
代表作は「ジュラシック・パーク」「マイ・ガール」や「ピアノ・レッスン」。当時、吹き替えの世界では、子供が子供の役を演じるという事が始まって間もない時代で、それまでは大人が子供の声を演じることが普通でした。その頃によく御一緒したディレクターの方とは、今でも仕事をさせていただいています。
坂本真綾さんご自身は菅野よう子さんに出会う前から活躍はしていたようですね。結構日本でも大ヒットした映画の声優さんをされていました。

『マイ・ガール』
坂本真綾さんも菅野よう子さん同様に若いころから業界の境を超えてマルチに活躍されている女性だったのですね!菅野よう子さんの目には昔の自分自身を眺めているように、特別な気持ちに思えたのかもしれません。
インタビューでは坂本真綾さん自身、広い業界で行き来することについて、このようにお話しています。
■- :声優、歌手、女優。幅広くご活躍されているなかで、どれかに重きを置いているということはありますか?
▼坂本真綾さん: それは本当に良く聞かれますが、私の中では「ひとつ」です。表現という形でバリアフリーなんです。(中略)小さい時からやっているせいか、全てに垣根がないんです。色々な事ができるのが凄く好き、と言うか自分に合っているみたいです。
もちろんひとつの事を追求していくことも大切ですが、いろんな筋肉をバランスよく使っていたい。歌が演技に良い影響を与える事もありますし、演技を頑張っていると歌や書くことにフィードバックできたりと、相互作用があるんです。
でもいつかは「これが一番やりたい」というものが定まる可能性もありますが、今はどれが欠けても「バランスが崩れちゃうな」と感じています。
まさに菅野よう子さんの見出した逸材という感じのお話です。
CMソングでも活躍!
その他にも「西武百貨店」や「ネスレ」、「のりたまふりかけ」「ポークリッチ」「牛乳石鹸」「石丸電気」等のCMソングも歌っていたとのことなので、この辺りはCMソングのヒットメーカーとして活躍されていた菅野よう子さんからのお仕事なのかな?と思います。

インタビューに答える 坂本真綾さん
また、そうした形のあるものだけではなく、坂本真綾さんは菅野よう子さんから色々なものをスポンジのように吸収していったようです。そのことについてご本人はこんな風に話しています。
技術や巧みさのもっと奥にある生への姿勢
▼坂本真綾さん: 技術やテクニックで、うまく歌ったり上手に喋るということではなく「人として日々の生活を試されている」そう思うようにしているので、自分がちょっとでも緩むと、とたんにそれが表現に出てしまいます。
自分が尊敬している素晴しい先輩方に共通しているのは、技術や巧さのもっと奥にある、生きかたそのものに対する姿勢といいますか、妥協が無い。そういう人に憧れますし、いっぱい良い影響をもらっていますので、「そうなりたい」という気持ちがあります。
私自身それを実行出来ているとはまだまだ言えませんが、その気持ちが「表現する」ことに全部活きてくるはずだと思って意識しています。
とても素敵な師弟関係ですね、尊敬できる頼もしい先輩の背中を見て進んでいける坂本真綾さんにとっても、また、自分のことを慕い信じてついてきてくれる彼女を見つめる菅野よう子さんにとっても、お互いしあわせが膨らむ豊かな時間だっただろうなと想像します。
菅野よう子さんの意外な別の顔!?「花は咲く」プロジェクトで見せた職業作曲家のプロ根性はこち↓

周囲からも菅野よう子&坂本真綾は「ゴールデンコンビ」とか「名コンビ」という言われ方をするようになり、ますますふたりが共演する作品の評価が高まっていきます。
◆菅野よう子&坂本真綾ゴールデンコンビの名曲紹介
ここからは、菅野よう子さんと坂本真綾さんのゴールデンコンビの名曲を一部ご紹介します。
◆【シングル】1996年「約束はいらない」「プラチナ」「tune the rainbow」まで
(全作曲・編曲・プロデュース:菅野よう子)
02.「Gift」/1997年『CLAMP学園探偵団』ED
03.「奇跡の海」/1998年 ロードス島戦記-英雄騎士伝』OP
04.「走る」/1998年 2ndアルバム『DIVE』収録
05.「プラチナ」/1999年 『カードキャプターさくら』OP
06.「指輪」/2000年 劇場版『天空のエスカフローネ』OP
07.「しっぽの歌」/2000年 ゲーム『ナップルテール』テーマソング
08.「マメシバ」/2000年 『地球少女アルジュナ』テーマソング
09.「ヘミソフィア」/2002年 『ラーゼフォン』テーマソング
10.「gravity」/2003年 『WOLF’S RAIN』ED
11.「tune the rainbow」/2003年 映画『ラーゼフォン多元変奏曲」主題歌

坂本真綾「tune the rainbow」
「tune the rainbow」では初のオリコントップ10以内にランクインしました。
◆[1]1997年 坂本真綾 アルバム『グレープフルーツ』
坂本真綾さんの1枚目のオリジナルアルバム。(全作曲・編曲・プロデュース:菅野よう子)

坂本真綾『グレープフルーツ』
02.「I and I」1997年
03.「グレープフルーツ 」
04.「右ほっぺのニキビ」/作詞:坂本真綾『天空のエスカフローネ』イメージソング
05.「ポケットを空にして」
06.「オレンジ色とゆびきり 」/作詞:坂本真綾
07.「青い瞳(REMIX)」
08.「約束はいらない 」1996年『天空のエスカフローネ』OP
09.「MY BEST FRIEND 」
10.「風が吹く日(Ma-aya Version)」
11.「そのままでいいんだ 」
「Feel Myself 」について坂本真綾さんのかわいらしい女子高生エピソードがあります。この頃の坂本真綾さんのお話がインタビューにありました。
■――デビューした頃は高校生でしたね。
【坂本真綾】 普通の学校生活を送っていました。周りも私がこういう活動をしていることは気にしていなくて、放課後はみんなで高校の近くのファミリーレストランにたまったり。ただ、その店の大きなビジョンに「Feel Myself」のPVが流れることになっちゃって。そのときはすごくイヤでした(笑)。

マーヤちゃんかわいい~。
とても年頃の女子高生らしい可愛いエピソードですね(笑)
◆[2]1998年 坂本真綾 アルバム『DIVE(ダイブ)』「パイロット」に見た坂本真綾の新しい才能
坂本真綾さんの2枚目のオリジナルアルバム。(全作曲・編曲・プロデュース:菅野よう子)

坂本真綾『DIVE』
コピー:「坂本真綾だけが歌える、ありふれない恋のうた。」
02.「走る(Album Ver.)」
03.「Baby Face」
04.「月曜の朝」
05.「パイロット 」/作詞:坂本真綾
06.「Heavenly Blue」/作詞:坂本真綾
07.「ピース 」/作詞:坂本真綾
08.「ユッカ」
09.「ねこといぬ」/作詞:坂本真綾
10.「孤独」
11.「DIVE」
「パイロット」の歌詞を持ってきた坂本真綾さんのことをのちに菅野よう子さんはこう語っています。
坂本真綾17歳、サラッと書いてきた「パイロット」の歌詞の新鮮な感性に驚かされる。
ここから坂本真綾さん作詞の曲も徐々に増えていくことになります。
◆[3]1999年 坂本真綾『シングルコレクション+ ハチポチ』
坂本真綾さんの1枚目のシングルコレクションアルバム。(全作曲・編曲・プロデュース:菅野よう子)

坂本真綾『シングルコレクション+ ハチポチ』
02.「ボクらの歴史」1997年/ラジオドラマ『CLAMP学園探偵団』テーマソング
03.「君に会いにいこう」1997年/2ndシングル『Gift』同時収録
04.「光の中へ」1996年/『『天空のエスカフローネ』イメージソング
05.「Light of love」1998年/『ブレンパワード』イメージソング
06.「Active Heart」1998年/3rdシングル『奇跡の海』同時収録
07.「パイロット」1998年/作詞:坂本真綾 4thシングル『走る』同時収録
08.「24(twenty-four)」1999年/5thシングル『プラチナ』c/w
09.「恋人について」
10.「ポケットを空にして」/『天空のエスカフローネ』イメージソング
11.「CALL YOUR NAME」/作詞:坂本真綾 『エスカフローネ〜プロローグ〜』テーマソング
こちらにも坂本真綾さんが作詞した「パイロット」がしっかり入っていますね。チャート最高順位週間14位(オリコン)(上記シングル記載以外を列挙)
◆[4]2001年 坂本真綾 ミニアルバム『イージーリスニング』
坂本真綾さんの1枚目のミニアルバム。

坂本真綾『イージーリスニング』
02.「blind summer fish」/作詞:サカモトマーヤ
03.「doreddo 39」/作詞:サカモトマーヤ
04.「afternoon repose」/
05.「bitter sweet」/作詞:サカモトマーヤ
06.「another grey day in the big blue world」
07.「birds」/作詞:サカモトマーヤ
作詞として「サカモトマーヤ」記載があります。坂本真綾さんの愛称が「マーヤ」だったためかと思われます。
また、作品世界内の設定で三角関係を描いたトレンディドラマ「トライアングラー」の主題歌では、サカモトマーヤという新進のゼントラーディーミュージカル女優が歌っているということになっていことからその記載のまま発表されているようです(笑)。
この曲の作詞がGabriela Robin(菅野よう子さんの仮の姿)でもあるため、そういう「仮の姿」が菅野よう子さんの中でブームだったのでしょう(笑)。

どんなブームやねんw
今作は菅野よう子さん率いるクリエイター集団のhogによる総合プロデュースという位置付けの元で制作された。
ちなみに菅野よう子さんは「坂本さん」と呼んでいたそうです。(本人談なので本当かどうかは不明)。
◆[4]2003年 坂本真綾『シングルコレクション+ ニコパチ』
坂本真綾さんの2枚目のシングルコレクションアルバム。
02.「ダニエル」/2002年 NHK夜の連続ドラマ『真夜中は別の顔』挿入歌
03.「バイク」/2001年 『地球少女アルジュナ』第十章ED
04.「指輪 -23カラット- 」/劇場版アニメ映画『エスカフローネ』テーマソング
05.「音楽 」
06.「みどりのはね」/2000年 7thシングル「しっぽの歌」同時収録
07.「シマシマ 」/1998年 作詞:坂本真綾 10thシングル『gravity』同時収録
08.「キミドリ 」/1999年 作詞:坂本真綾 ゲーム『白中探険部』テーマソング
09.「toto 」/『真夜中は別の顔』挿入歌
10.「Here」/『真夜中は別の顔』挿入歌
11.「ベクトル」/2000年 6thシングル『指輪』同時収録
12.「 THE GARDEN OF EVERYTHING 〜電気ロケットに君をつれて〜 (featuring Steve Conte) 」/11thシングル『tune the rainbow』同時収録
チャート最高順位週間3位(オリコン)を記録(上記シングル記載以外を列挙)そろそろ別れに近い時期の作品になってきました。
◆[5]2003年 坂本真綾アルバム『少年アリス』菅野よう子最後のプロデュースアルバム
坂本真綾さんの3枚目のオリジナルアルバム。(全作曲・編曲・プロデュース:菅野よう子)

坂本真綾『少年アリス』
君が、世界から見放されてると感じるなら
僕のはしっこをかじるといい。
デビューから一貫して続いてきた菅野よう子さんによるプロデュースはこのアルバムを境に一旦途切れることとなります。
02.「ソラヲミロ」/作詞:坂本真綾
03.「スクラップ~別れの詩」
04.「まきばアリス!」/作詞:坂本真綾
05.「真昼が雪」
06.「KINGFISHER GIRL The Song of “Wish You Were Here”」
07.「ヒーロー」/作詞:坂本真綾
08.「夜」
09.「CALL TO ME」
10.「光あれ」/作詞:坂本真綾
11.「ちびっこフォーク」
12.「03」/作詞:坂本真綾
13.「おきてがみ」/作詞:坂本真綾
このアルバムの作成時期の心境を坂本真綾さんはのちにインタビューでこう話しています。
■――でも、「光あれ」って、すごく大きな想いを歌っていますよね。
【坂本真綾】 当時ファンクラブも立ち上げて、予想を遥かに越える数の方が入会してくれて。嬉しい反面、“こんなに自信のない私が、こんなに期待されているの?”と思いました。
でも弱音を吐くわけにはいかない…という気持ちが逆に強く出て、『少年アリス』には「光あれ」の他にも、吠えているような歌詞が多いんです(笑)。
アルバムとしては骨太に聴こえて良い方向に作用したけど、当時はメッセージを発したくても、せいぜい“いつか”歩いてみせる……としか書けない。「光あれ」と言いつつ、光が全然ない状態の私でした(笑)。
■――でも今は光あふれる状態に?
【坂本真綾】 いろいろなことがクリアになってきているとは思います。菅野よう子さんのプロデュースが『少年アリス』まで。そこから自分の足で歩き出して、またたくさんの未知との遭遇が始まり、大変な思いをしながら、刺激もいろいろ受けました。そういうことを経て、自分に対する信頼が戻ってきた感じです。
光あれと言いつつ、吠えている歌詞が多かった。
やはり、菅野よう子さんから巣立つ前の時期は大人になる為のちょうど子どもと大人の中間の時期だったんだなと分かります。そのころの坂本真綾さんの写真がこちら。

かわいい♡

坂本真綾『おきてがみ』歌詞
菅野よう子さんのところから旅立つ前の最後のアルバムとしてふさわしく、最後のアルバムの最後の曲が『おきてがみ』なのも、坂本真綾さんらしい演出ですね。いつもその時その時に一生懸命。これはお二人に共通していることなのかな?と思います。
◆2003年 坂本真綾と菅野よう子の「少年アリス」決別騒動・関係について※対談?アリ
そういうわけで、2003年(菅野よう子さん40歳)発売のアルバム『少年アリス』以降、事実上、菅野よう子さんは坂本真綾さんの歌手としての総合プロデュースから手を引いています。

菅野よう子さん
それまで坂本真綾さんの歌の作曲、編曲、アルバム等の総合プロデュース等を行い、手塩にかけて育ててきた菅野よう子さんでしたが、7年の間にスタート時には16歳だった坂本真綾さんも23歳となっていたわけで、(wikiや本人談では9年間という記載があるが『少年アリス』で換算すると7年。詳細は不明)大人の女性として心身共に成長、心境にも変化が現れたのは自然なことのように思います。
坂本真綾さん自身も、そして彼女を見守る菅野よう子さんの中でも
その「時」がすぐ近くにまで迫ってきているのを、
肌で感じているようでした。

坂本真綾 慌てず焦らず上品に『少年アリス』より
こうして、ふたりは多くのキラキラした名作を残し、1996年に出逢ってスタートした菅野よう子&坂本真綾のゴールデンコンビ関係が一旦ここで幕を閉じます。
◆菅野よう子との別れを決めた時の坂本真綾の想いとは?
菅野よう子さんのプロデュースから離れるその時のことを坂本真綾さんはのちにインタビューでこう語っています。
■――菅野さんプロデュースから離れたことは、大きな決断だったかと思いますが。
【坂本真綾】 人生最大の出来事でしたね。でも、そうするしかない感じが、私にも菅野さんにもありました。当時の閉塞感の一部には、「いいアルバムだね」と言われても“自分が評価されているわけじゃない”という冷めた気持ちがどこかにあって。
一方で“頼れば何とかしてくれる”と逃げ道にしていた部分もあったし。自分で何もしないまま、大人になろうとしている。そんな状況を変えないことには先はない、という。
もちろん不安でした。「菅野よう子さんとやってたときのほうが良かった」と言われるかも……と思わないわけがない。だけど、自分なりの居場所が見えるまでやってみたい。ダメならそれまでのことだと、腹をくくりました。
自分で何もしないまま、大人になろうとしている。
そんな状況を変えないと。

坂本真綾さん
既に世界に対して大きな名前のある菅野よう子さんとお仕事を出来ることの反射として、坂本真綾さんには二世タレントの悩みではないですが、「自分自身の存在意義」について成長と共に色々な葛藤があったのかもしれないですね。
ここまで守り、育ててきてくれた菅野よう子さんの愛情に対して、どんな形で応えることができるのか、自分自身が自分の脚で、しっかり立っていける力を手放さないためにも、大きな決断をすることを選んだ坂本真綾さんでした。

菅野よう子さん
ちょうどこの頃のふたりへのインタビューが残っていました!菅野よう子さんは菅野ようこさんで坂本真綾さんとの関係について「時が近付いていること」を感じ取っていたようです。

ぐすん(涙)←早いってw
菅野よう子さんの経歴や本質についてはこちら↓

◆坂本真綾を旅立ちを見送る菅野よう子の想いとは?インタビュー内容
※涙腺崩壊注意!
ここから感動のインタビュー続きます
ふたりが離れる直前に坂本真綾さんを支えてきた「12人の人」へ坂本真綾さんに関する質問を投げかける企画があり、その回答者のラスト、12人目が菅野よう子さんでした。

菅野よう子さん
回答者:菅野よう子
■-あなたの知っている「坂本真綾伝説」回答者:菅野よう子
16歳、生まれたときからそうしてるようにマイクの前で歌っていた。
17歳、サラッと書いてきた<パイロット>の歌詞の新鮮な感性に驚かされる。
18歳、大人が寄ってたかって、歌手坂本真綾を演出しようとして、あなたはとまどっていたと思う。19歳、しばらく会わないでいたら、緑のマニキュアをしてスタジオに現れ、一同ドキドキする。
20歳、トンネルをいくつも抜けた。21歳、大学を卒業できないかもと言いだし、もしできなくても他人にどうこう言われる筋合いのものじゃなく、自分の問題、と突っ放す。その後、心配しながら見守るうちひょっこり卒業。守られてるな、と思う。女子会で数々の暴言を吐く。
22歳、そろそろ独り立ちさせようと、あまり構わないようにするが、実は気になってしょうがない。
もうこの時点で号泣してしまいそうです(うるうる)

なんておおきな愛なんだろう(泣)
そして、菅野よう子さんもきっと、ものすごく坂本真綾さんの旅立ちが淋しいんだろうなとひしひしと伝わってきます。これだけの時間を見守ってきた。私はあなたの成長を見届けてきた。そんな自信と母心を感じます。一方で、でも正直、寂しいし心配…。
でもあの子が自分で決めたことなのだから。
私は笑顔で見送るんだと。そんな心の中の葛藤と決意を感じます。いつもは迷いがない菅野よう子さんが珍しいことでもあったはずです。それだけ坂本真綾さんが菅野よう子さんのとってもとっても大切な人だから。・・・・ということですね。(うるうる涙)
回答者:菅野よう子。
■-坂本真綾にご自由にメッセージをどうぞ 回答者:菅野よう子
せかいいち愛してるぜっ、と大きな声で言ってやる。
言葉で何でも表現できて分析できる、という方向に過剰に進みつつある世の中で、不安定で形にならない、水っぽい作りたてのわらびもちのようなオマエの魅力をどうやってお客さんに伝えていくか、いつもいつも考えているよ。CDを買ってくれる人たちは、どこがいい、とはっきり口にできないところをきっと好きになってくれてるはず、と思う。それから、痛いとか辛いとか苦しいとか大騒ぎすることでしか伝えられないこと、絶対にある。
だから我慢しないで騒ぎなさい。これからもね。
最後に、オレの気づかない魅力を見つけて育ててくれる人たちとの出会いを、大事にしていってほしい。
いつでも自由に飛んでいい。
オマエが選んでいい。もう大丈夫だから。

わ~~~~~~~ん(号泣)
何回読んでも泣いてしまうwww
全く菅野よう子さんと接点のない私でもボロボロ泣いちゃうくらいなんで(笑)これを最初に坂本真綾さんが読んだときには、きっと泣き崩れたことでしょうね。
もう迷ってはいられないんだ、飛び立つ準備はできた。
これは実は(坂本真綾さんに向けた)菅野よう子さんのインタビュー回答が活字化されて公開されるタイプのものなので、菅野よう子さんが回答した時期と坂本真綾さんが読んだ時期はいくらか時間差があるはずなのです。
まだ一緒に近くで仕事をしていた頃でしょう。でも、殆どのことを菅野よう子さんは先に分かっていた。感じていた、といいましょうか。

菅野よう子さん
直接じゃないからこそ、いつもは伝えられないまっすぐな気持ちを伝えられることってありますよね。家族なんかは特に。そんな印象の残ることばでした。愛することって、結構キツイけど、こんな風に思えることもしあわせの内側ですね。菅野よう子さんも家でわんわん泣いたんだろうなー。
とりあえず、ガブリエラロビンの代打回答じゃなくてよかった(笑)。
◆2004年『攻殻機動隊』草薙素子(コドモトコ)の声を坂本真綾が担当
2004年(菅野よう子さん41歳)坂本真綾さんは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』にてコドモト役の声を担当することになりました。菅野よう子さんの音楽プロデュースが終焉を迎え、その後に一緒にした大きな仕事と思われます。
少し先の話になりますが、
2014年『攻殻機動隊入門ARISE』、2015年劇場版『攻殻機動隊 ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』ではなんと坂本真綾さんが草薙素子役を担当することになります。
2003年『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』にて東京アニメアワード音楽賞を受賞。2013年までに計5回受賞。
長年シリーズの大部分において草薙素子の声を担当していたのは田中敦子さんがとのことですが、大ヒット作の中の、とても大きな役柄です。

コドモトコ
ドラマの中にひとつのエッジを作るようなシーンに出てくる印象的な登場人物なので、坂本真綾さんが担当されているなんて私も知らずに見ていたため、かなりビックリしました。
コドモトコ
『S.A.C.』第12話「タチコマの家出映画監督の夢 / ESCAPE FROM」及び第25話「硝煙弾雨 / BARRAGE」に出てくる草薙素子の少女型デコット。『2ndGIG』では、全身義体化してから2年経過した幼少時の素子が登場している。
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のラストでは、素子の義体が著しく破壊されたため、バトーが急いで闇ルートで手に入れた義体という設定。『攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE』エピローグでは、サイボーグ化した直後の幼少の素子が登場している。
ここでも坂本真綾さんの声の力が役に宿って、視聴者に物語のイメージがより鮮明に届くようになっていたんだなあ、と今更ですが感心してしまいます。
作品はシリーズを通して今でもファンがたくさんいるような、アニメ業界の大ヒット作となりました。
菅野よう子さんのアニメソングはこちら↓

そしてもう一つ、『攻殻機動隊』はちょうど菅野よう子さんと坂本真綾さんが音楽プロデュース関係でのコンビを解消した直後の出来事でふたりにとっても最後の大きな成果となりました。門出を応援する、大きな祭りのようなちょっぴり切ないイメージを個人的には抱きます。
◆2008年 坂本真綾と菅野よう子の感動の再演「トライアングラー」(マクロスF)
2008年、この年に行われたZEPP TOKYOでの会に「トライアングラー」(マクロスFの前期OP)をライブで坂本真綾さんと共演します。これには集まったファンも大歓喜!色々囁かれていた二人の関係が良好であることに安心すると共に、もう聴くことが出来ないとさえ思われていた菅野よう子&坂本真綾のゴールデンコンビでの再演に会場中が大感動だったそうです。
トライアングラーを熱共演

「トライアングラー」で共演の菅野さんと真綾さんin Zepp Tokyo 2008
余談ですが、この時に菅野よう子さんはもう一曲「キラキラ」(『「マクロスF」O.S.T.1 娘フロ。』)という曲の演奏もしています。このサイトのテーマソングみたいだなあ(笑)と。スイマセン(笑)
さて、話は戻って、「マクロスF」での坂本真綾さんのエピソードもありました。
詞を書くのは基本的に自身で歌う曲だけ、という坂本真綾だが、菅野よう子が音楽を手掛けたアニメ「マクロスF」では、中島愛演じるランカ・リーの歌う劇中歌“蒼のエーテル”や、物語上重要な役割を担う子守唄“アイモ”などを作詞。
なかでも後者は、坂本真綾本人もランカの母親役で出演し、母娘デュオを披露するというサプライズも!
坂本真綾さんにとってもこの『マクロスF』での菅野よう子さんとの再共演がとてもうれしく、それぞれの曲がとても特別なものあったことがよく分かるエピソードですね。
それ以後も「蒼のエーテル」「美しい人」「モアザンワーズ 」「ダニエル」「猫背」「アルコ 」「afternoon repose」等でタッグ復活しています。
ピアニスト・フジコヘミングさんのお話はこちら↓

◆菅野よう子&坂本真綾再共演後のゴールデンコンビ曲
再会後の菅野よう子さんと坂本真綾さんはいくつか曲を一緒に作っています。以前のように菅野よう子さんの総合プロデュースという形ではなく、坂本真綾さんが主体となって制作されている印象が強くなりました。
自立して大きくなって戻ってきた!
◆[6]2009年 坂本真綾アルバム『You can’t catch me』
坂本真綾さんの7枚目のオリジナルアルバム。特典CD『SPECIAL CD “Gift” +1』

坂本真綾『You can’t catch me』
02.「Gift」
03.「ヘミソフィア」
04.「0331medley (featuring 菅野よう子) 」菅野よう子はこのメドレーにピアノ演奏者としても参加。メドレー曲は以下の通り。 01.「約束はいらない」
02.「指輪」
03.「Active Heart」
04.「アルカロイド」
05.「夜明けのオクターブ」
06.「Tell me what the rain knows」
07.「tune the rainbow」
08.「チョコと勇気」
09.「トライアングラー」
10.「約束はいらない」
11.「Happy Birthday To You」
12.「I.D. 」/作詞:坂本真綾
『Youcan’t catch me』は声優単独のアルバムとしては史上2人目となるオリコンチャート首位を記録するという、輝かしい結果となりました。
◆[7]2010年 坂本真綾 ベストアルバム『everywhere』2010年
坂本真綾さんの初のベスト・アルバム。

坂本真綾『everywhere』
02.「マメシバ 」/作詞:坂本真綾
03.「birds」/作詞:サカモトマーヤ
04.「うちゅうひこうしのうた 」
05.「指輪 -23カラット- 」
06.「奇跡の海 」
07.「ヘミソフィア 」
08.「紅茶 」/作詞:坂本真綾
09.「風が吹く日 」
10.「Gift 」
11.「パイロット 」/作詞:坂本真綾
12.「tune the rainbow 」
13.「カザミドリ 」/作詞:坂本真綾
14.「約束はいらない」
15.「ループ〜sunset side」
16.「光あれ 」作詞:坂本真綾
17.「ダニエル 」
18.「ユッカ 」
19.「blind summer fish 」
20.「gravity 」
21.「プラチナ 」
22.「Feel Myself 」/作詞:坂本真綾
23.「ポケットを空にして 」
2010年(菅野よう子さん47歳)、坂本真綾さんのベスト盤の発表に合わせてのインタビューがありました。
■――15年間の作品を集めたベスト盤ですが、歌っていた当時と今とでとらえ方が変わったような曲はありますか?
【坂本真綾】 “10代の自分はどう考えていたのかな?”と思うのは「ユッカ」ですね。普遍的なテーマの深い歌詞なので。あと、「ヘミソフィア」はよく分からないまま、反射だけで歌っていましたね。
すごく変わった曲というイメージで、勇まし過ぎて<あいつらは~>とかどう歌えばいいんだろう?と。自分とは少し離れてる感じがしていました。
■――そうですか?<僕は僕のことが知りたい>とか、真綾さんが自分で書く内省的な詞とも通じている気もしますが。
【坂本真綾】 詞の意味が分からなかったわけではないんですけど、当時の自分はそこまで<崖っぷちに立たされた>こともなかったし、ものすごく共感するという感じではなかったんですね。
「この曲を聴いて勇気づけられました」という手紙をいっぱいもらって、そういう歌として届いてるのが意外でした。
昨年久しぶりに菅野よう子さんのライブで歌ったら、今の自分にはスッと馴染む感じがしましたけど。
菅野よう子さんとの再会と共演のライブがあったお話がありました。久しぶりに会って、以前とは同じ曲が違うように聞こえるようになったことで自分の成長も確認できたのかもしれませんね。
◆[8]2011年 坂本真綾 アルバム『かぜよみ』
坂本真綾さんの6枚目のオリジナルアルバム。

坂本真綾『かぜよみ』
坂本真綾さんのデビュー15周年記念のPJとして作成されました。
02.「蒼のエーテル 」/作詞:坂本真綾「マクロスF」挿入歌のセルフカバー楽曲
「トライアングラー」はオリコン週間チャート最高位3位を記録し、坂本真綾自身最大の売り上げとなった。また、第13回アニメーション神戸賞では主題歌賞を受賞する高い評価を得た。
再度、新しい活動を共にした菅野よう子さんと坂本真綾さんの気持ちが合わさって、とても良い作品ができたことが何よりだったなと思います。ファンが二人の共演を首を長くして待ち焦がれていたことも人気の要因でしょう。

おかいり~
とおもったら、また旅に出てた坂本真綾さん(笑)
◆2011年 坂本真綾がエッセイ集『from everywhere.』で菅野よう子に伝えたかったこと
あなただけが、私に、
この旅に出る理由を聞きませんでした。

坂本真綾 書籍『from everywhere.』表紙 2007年
2011年、菅野よう子さんのところから離れて数年後に当たる年に坂本真綾さんは『from everywhere.』という自著のエッセー集を出版します。内容は37日間にわたるヨーロッパでの一人旅を書いたもの。

坂本真綾 書籍『from everywhere.』裏面 2007年
ありがとう。
きっと手紙を書きます。
こちらの本の裏面の言葉が、私には坂本真綾さんから菅野よう子さんに対する気持ち、やっとことばにできた文章に思えて、じんわり素敵だなと思いました。(2011年に坂本真綾さんはご結婚されているので実際の「あなた」は違うのかもしれませんが、個人的には夫となった鈴村健一さんの優しさに触れ、菅野よう子さんへの気持ちを真っすぐ出せたように思えてます。←主観です)
あなただけが、私に、
この旅に出る理由を聞きませんでした。
ありがとう。きっと手紙を書きます。
私には菅野よう子さんの大きな愛情や母心に気づきながらも、どうしてもうまく言えなかった「ありがとう」がここにあるのかなと感じてしまいました。
素直に感謝することができたのはきっと坂本真綾さんがこれまでの期間に色々な出来事にあい、喜んでは泣いて、またそれを乗り越えてきたからだと思います。菅野よう子さんのいる居心地の良い「巣」を飛び立って、自分の脚で立つことがどれだけ大変なことかを身をもって経験したからでしょう。
菅野よう子さんも色々な心配がある中で、何も余計なことを聞いたりしないで背中を押す、また会える時が来ると信じてただただ「待つ」。それができることって、本当に深い愛情だなと感じます。坂本さんからのことばを読んだ菅野よう子さんはどんな顔をしたのかなあ、とつい想像してしまいます。
◆2012年 菅野よう子にとって坂本真綾は「最初の娘」であり「子育て」だった!?
翌2012年(菅野よう子さん49歳)のインタビューの中では、坂本真綾さんに関するこんな話も出てきました。
(~略)そのなかで、坂本真綾さんの話が出てくる。
いわく、シンガーデビュー以来長年プロデュースしてきた彼女は最初の娘だったんだと。そんな彼女がいま充実した活動を続けている姿を見れるのがすごく嬉しい、子育てがうまくできたのかなと思えてとても安心したんですと……。
いい話だなあ、と素直に思う。
坂本真綾は最初の娘だったんだと。

坂本真綾20周年コンサートにて~はしゃぐ菅野さん
菅野のよう子さんは決めたら全力投球なんですね。子育ても一生懸命!(笑)やりました。ちなみに坂本真綾さんとご結婚された鈴村健一さんはオシドリ夫婦ということで周りからも羨ましがられる関係となっています。

幸せそうでなにより♡
しょこたんこと中川翔子さんのお話はこちら↓

◆[9]2012年 坂本真綾『シングルコレクション+ ミツバチ』岩里祐穂の作詞の話
坂本真綾さんの3枚目のシングルコレクションアルバム。
チャート最高順位週間9位、月間1位(オリコン)(上記シングル記載以外を列挙)
02.「ダニエル」/2002年 NHK夜の連続ドラマ『真夜中は別の顔』挿入歌
03.「猫背」/2012年
作詞の岩里祐穂が「モアザンワーズ」のレコーディング時に坂本真綾の旅エッセイを読み、それにインスピレーションを得て書いた曲で、歌詞の内容も坂本真綾がイメージされている。なお岩里は通常なら曲を聴いた上で作詞をするが、今回は逆だったため、坂本真綾は喜んでいたという。
旅に出て、こうした新しい出会いが生まれることに喜びを感じているような坂本真綾さんでした。

菅野よう子さんと岩里祐穂さん
「モアザンワーズ 」にはこんなエピソードがあります。菅野よう子さん岩里祐穂さんの工程を逆にすることでイメージや可能性がまただいぶ変わるのかもしれませんね。
◆[10]2015年 坂本真綾ミニアルバム『FOLLOW ME UP』菅野よう子(作編曲)×岩里祐穂(作詞)
坂本真綾さんの9枚目のオリジナルアルバム。

坂本真綾『FOLLOW ME UP』
菅野よう子&坂本真綾のゴールデンコンビの人気は最近でも全く収まることを知らないようです。そこに岩里祐穂(作詞)さんも!
2015年7月4日より劇場上映がスタートした「コードギアス 亡国のアキト」第4章「憎しみの記憶から」の主題歌が、坂本真綾の歌う新曲「アルコ」であることが明らかになった。同曲では、デビューシングル「約束はいらない」をはじめ、「コードギアス 亡国のアキト」第1~3章の主題歌「モアザンワーズ」等々、数々の名曲を世に送り出してきた“坂本真綾×菅野よう子(作編曲)×岩里祐穂(作詞)”の3人が再集結。壮大でドラマティックなバラードに仕上がっているそうで、坂本自身もヒロイン“レイラ・マルカル”役の声優を務める「亡国のアキト」のストーリーとも深くリンクしているとのこと。
2015年発売の『幸せについて私が知っている5つの方法/色彩』には菅野よう子さんの曲「afternoon repose」が入っています。

「afternoon repose」収録アルバム
◆坂本真綾の瞳に映っていた菅野よう子とは?インタビュー
おそらく一番側で菅野よう子さんを見つめ続けた坂本真綾さん。菅野よう子さんをどのように見て、どんな風に感じていたのでしょうか?

坂本真綾のイラスト「菅野よう子」
こちらに関して貴重なインタビューがありましたので、最後にご紹介したいと思います。
菅野よう子はこんな人。
■坂本真綾ーー以前スタジオで、誕生日別の占いの本をみんなで回し読みしていて、それぞれの欄を読んで盛り上がっていたのですが、カンノさんのところにはこんなような事が書いてありました。
「身近な人を、そして数えきれないほどたくさんの人々を、幸せするために生まれてきた人。人を楽しませることが大好きで、それを職業にし、支持を得る」
当たってるぅー。彼女は、もちろん音楽という方法でたくさんの人に喜びを与えているわけだけど、それだけじゃなく、カンノさん自身の持っている不思議な威力によって私たちはみんないつも楽しく仕事をしているから。
スタッフやミュージシャンに本気を出させる名人。
この人が望むようにやってやるぜ!とみんなのヤル気スイッチを押す名人。どんな事もおもしろくなるように改造する名人。
カンノさんのまわりでは、いつもすべてが弾んでいて、みんなが楽しいと感じている。
いつもすべてが弾んでいて、
みんなが楽しいと感じている。
やはり、以前ご紹介した菅野よう子さんの持つ「魔法」の数々と菅野よう子さんがいつも目的として向かっている方向、つまりは「この人が望むようにやってやるぜ!」に向かっているんだ(笑)ということがよくわかるお話ですね。
坂本真綾さんはその他にも菅野よう子さんについてこんな話をしています。
■坂本真綾ーーカンノさんの恐るべきところは、その動物的な勘の強さだと私は思う。それは仕事の面でもそうだし、人を見て何か感じ取る力だったり、ここぞというときの判断力だったり。よく言う「女の第六感」というレベルではなくて、野生時代の勘をいまだ持っている貴重な人間って感じ。(中略)
カンノさんの場合はそれ(ナチュラルなものと作為的なもの)を、見えないしっぽとヒゲでしっかり見分け、正直に反応することができる。
そして何か感じたときは、それを心から信じてる。
勘に従うことで、より一層勘が鋭くなっているという感じ。自分が何を欲していて、何を選ぶべきか、常にわかっているように見える。これって実はホントに難しいことだし、きっとそうできる人は少ないはずですよね。
それを心から信じている。
動物的な勘、直観が鋭くて、感じ取る力に長けている、感じ取った自分自身の受信機、感じさせてくれた相手の発信を心から信じているっていうようなこと(?)が書いてありますね。人の意見や一般常識、安全な模範解答を探すのではなくて、自分の感性と心の声を一番信じる。自身の心身のメンテナンスを十分に行っているからこそできることなのかなと思います。
また、何より「感じ取る力」が長けているからこそ、これほどたくさんの人たちと一緒に活動ができたのかなと思います。

菅野よう子さんと是枝監督
「この人どこに行きたいんだろう~?、どんなことがしたいんだろう~?」を感じ取って菅野よう子さんが「音楽」というタクシーを使って
「アタシがそこに連れて行ってあげるよ!」って感じですね。
■坂本真綾ーーだからカンノさんの前では何か隠そうとしたってムダ。どうせ見透かされていて、こっちが恥ずかしくなるに決まってるんだから。更に(菅野さんも)思ったことはすぐ口に出す(そのくせ何言われてもなぜか憎めない。ほんっとずるい!)、
動くもの全部に興味を持つコドモネコのような好奇心がある、超タフ。こういう壁を作らせない感じが、カンノさんの周りに人を集めているのかな。
カンノさんの自然な人柄に触れて、集まる人もみんな自然でいられる。私がこれまでいつもマイペースに、自分という存在を感じながら歌ってこれたのも、そんなカンノさんとの出会いがあったからなのです。
私は、すぐ近くでカンノさんの仕事っぷりを見ながらたくさんのものを盗んでいます。それは音楽的なことというよりも、むしろ生き方であり、考え方なのです。
坂本真綾「12人の優しい人たち(最終回)」より
何かを隠そう、偽ろうとしてもムダ。
坂本真綾さんの自然な話しぶりで菅野よう子さんの日常がよく伝わるインタビューでした。「いい自分でいさせてくれる人」って気持ちがいいからまた会いたくなりますよね。仕事の成果物(曲の完成度等)以外にも、その人の興味や、魅力をどんどん引き出してくれて、何より楽しい!となれば人もたくさん集まるわけです。
◆(おまけ)菅野よう子が語る「頭の上に浮いてるキンちゃん」とは?対談
ちなみに菅野よう子さんは、「人を魅了し、気持ちを動かしていく不思議な力」について過去このように語っていたことがあるので、そちらを最後に。
頭の上に浮いてる「キンちゃん」
人を動かす「漠然とした根拠のない自信」を菅野は「キンちゃん」と仮に呼んだことがある。
頭の三〇センチくらい上に浮いている、うすピンク色の雲みたいな近未来の予感。富野由悠季や河森正治の企画がたくさんのひとを動かすのはかれらの「キンちゃん」が伝染性をもつ強いものだからではないかと言う。菅野よう子はアーティストや企画に魅力を感じなければ仕事をうけない。

ちょっと何言ってるか分からない(笑)
菅野よう子さんあっぱれ!ですね。
おあとがよろしいようで。
素敵なライブでした!
菅野よう子さんとのコラボは空気が違います。真綾さんは意識していないかもしれませんが、表情や歌声、全てに喜び、希望が溢れています。
本当に素敵です。
「そのままでいいんだ」で涙が溢れました。
そして「これから」
25周年に向けて応援し続けます!これからだよ(^ー^) pic.twitter.com/CrnQNSrSZM
— おきてがみ (@1006miku) April 24, 2019
菅野よう子さんと旦那さんの素敵な愛情関係についてはこちらです↓

コメント
坂本真綾さんがヨーロッパ一人旅をしたのは、トライアングラーの後です。
コメントと大事なご指摘をありがとうございます。暫定的に修正しましたが、2月以降にもう少しスマートに読める記事になるように抜本的にリライトしたいと思います^^