1983年からNHK朝ドラとして放送された『おしん』その幼少期の時代を天才子役として見事に演じた小林綾子さん。
今回は35年前の小林綾子さんの『おしん』で子供時代を見事に演じた天才子役として活躍した年齢の頃を少し振り返りつつ、そこからの時間を「おしん」として、また「日本女性の代表」として歩んでこられた小林綾子さんの素敵女性の姿の今現在を追っていきたいと思います。
◆子供時代の小林綾子は絶対音感を持つNHK朝ドラ『おしん』の天才子役として大活躍!?記憶力が抜群だったらしい!画像
『おしん』子役時代に演出担当の江口浩之氏は小さな小林綾子さんについてとても頭がよくて記憶力が抜群だったと語っています。
小林綾子は
記憶力抜群の子供だった!
それを裏付けるエピソードとして、小林綾子さんは幼少期から「絶対音感」を持っていたということを自身で語られています。
私はいわゆる絶対音感があるせいか、テープを聞いたときに方言が音楽的な感じで耳に入ってくるので、それをコピーするような感覚で取り組んだことを覚えています。
絶対音感を持つおしん!
小林綾子。
おしんのセリフは全てがかなり方言のイントネーションと言葉づかいで構成されていたわけですが、小林綾子さんが元々その地域の人だったわけでは決してなく、方言の先生にセリフを録音してもらったものを聞きながら、台本にアクセントをメモしていく作業を行っていたというのです。
そして、セリフが長いことで業界ではかなり有名な橋田寿賀子さんの台本ですから、大人にとってもめちゃめちゃ大変だったはずです。そして、ただのセリフではなくて、山形弁のセリフ!
セリフひとつ覚えるのも
皆さん大変な作業だったのですね!
ただ、小林綾子さんの場合は、前述の「絶対音感」があったために、イントネーションのついた方言のセリフは、まるで音楽のように聴こえて、その音楽を覚えるようにすぐに頭に入ったと、これが、記憶力がいいという子役時代の小林綾子さんの真相でした。
■『おしん』はキルギス日本人拘束人質事件の解放交渉でも登場しています↓


まさに天才子役のエピソードですね!
◆『おしん』天才子役小林綾子の出演期間はいつまで?子供ながらにきめ細かい演技が 写真画像
小林綾子さんが出演するNHK朝ドラ『おしん』での出番は前半の6週間でした。正確に言うと全297話のうち、36話までという事ですから、出演時間だけで言うと全体のたった12%そこそこの量です。
その出演時間で、おしんの半分くらいの印象は小林綾子さんの時代のものとなっているのですから、どれだけ強烈な印象を視聴者に残したかが伺えます。
画像:NHK
『おしん』のオーディションに受かった当時の気持ちについて小林綾子さんはこんな風に記憶しているようです。
大役をいただいたのは初めてでしたので、オーディションに受かった時は純粋に「うれしい!」という喜びがとても大きかったですね。
驚いたのは、台本のセリフの多さでした。台本6冊と山形弁の方言テープを渡されて、「とにかくセリフだけはちゃんと覚えてきてください」と言われ、母と二人三脚で、いただいたその日からセリフを覚える作業が始まりました。
引用元:AERAdot.
やはり昔から
橋田寿賀子ドラマの最大の難は
出演者を苦しめる長台詞!
画像:NHK
同じく橋田寿賀子さんのドラマの常連出演者である東てる美さんもこのように語っています。
何より橋田壽賀子先生の脚本が役者にとって大変なんです。普通の撮影現場では、本番前にお茶を飲みながら、役者同士が会話をしたりするものなのですが、そんな余裕すらないのが橋田先生の作品。
引用元:gendai.ismedia
そして、泉ピン子さんに課せられた過酷な名シーンのように、小林綾子さんにも最初の奉公先へ出る際の最上川を下るシーンをはじめとした、山形ので極寒シーンが最初の撮影だったという事です。
なんと、
いかだで川を下るシーンが初回撮影シーン。
メイクさんはドライヤーで、照明部さんはバッテリーライトで手を温めて下さったこと、今でもよく覚えています。優しいなぁ本当にみなさんに支えて頂きました
とにかくNHK開局30周年の1年間のドラマという事で、特にスタッフさんもキャストさんも気合いが入り、強い絆と団結力がありましたね。引用元:小林綾子オフィシャルブログ
小林綾子さん自身はあの最上川下りのシーンについて、おてんばな性格だったため、いかだに乗るのを楽しみにしてたと語っていますが、実は、大変危険な激流での撮影という事で、大江町役場の全面的な協力で撮影が実現したそうです。
このいかだシーン
撮影が終わると
スタッフや見物客から大きな拍手がわきあがったらしい。
当時ほとんど見られなくなっていた筏(いかだ)を地元の元船頭の当時72歳の男性の指導で製作。この男性が撮影で船頭もつとめた
引用元:https://www.weblio.jp/wkpja/content/おしん_おしんの概要#cite_note-14
また、小林綾子さん演じる少女時代のおしんが奉公先から逃げ出す雪山でのシーンはリアリティーの追求の為、本物の雪を巨大な扇風機で飛ばして撮影されたり、山小屋暮らしの撮影も実際の雪山で行われたりと子供だけでなく出演の役者陣もスタッフも皆過酷な状況だったようです。
画像:NHK
そんな緊張感や空気感に包まれながら演技をしていた為か、小林綾子さんも子供ながらに演技に対して色々な注意を払って出来ることを模索しながら演技に挑んでいた様子が伺えます。
画像:NHK
撮影は、最初は1月に10日間ほどの山形ロケをやって、そのあと1月の下旬から2月に、奥多摩で浴衣を着て夏のシーンを撮りました。寒かったのですが、氷をなめて息が白くならないようにしながら撮りました。
引用元:AERAdot.
夏のシーンで
息が白くならないように氷をなめて実演!
こうしたことは『おしん』の画面を見ているだけでは視聴者には全く分からない苦労ですけれども、ストーリーのおしん同様、それを演じる子供時代の小林綾子さんもとても大変な思いをしながら演技に挑戦していたことが分かるエピソードですね。
◆『おしん』天才子役小林綾子が泉ピン子を傷つけた!?長台詞のエピソードをNHK朝ドラ『なつぞら』出演時に語る 写真画像
かつて演出担当の江口浩之氏が子役時代の小林綾子さんに対して語っていたこととして、こんなエピソードもありました。
小林綾子っていうのは記憶力が凄かったんだよ。お母さん役の泉ピン子がセリフに詰まると、横で小林綾子が教えたりして、一回台本を読むと全部覚えちゃう。IQがよかったんじゃないかな。
その当時のお話を補完するようなお話を小林綾子さん自身もNHK朝ドラ『なつぞら』への出演が決まった際に、振り返っています。記憶力がとてもいい小林綾子さんでもやはり橋田寿賀子さんの長台詞の台本を覚えるのはとても苦労したようで、小林綾子さんは母親と一緒に食事後に練習する日々が続いたそうです。
画像:NEWポストセブン
約1か月で
6週間分の放送分を暗記!
しかし、小林綾子さんは毎日お母さんとの練習の成果で、自分のセリフだけでなく話全体のセリフをすべてインプット!
ある日、撮影中に泉ピン子さんがせりふに詰まってしまった時があったので「母ちゃん、次はこういうせりふだよ」と教えてあげました。
よかれと思ってふと出た言葉でしたが、後になってスタッフから、「あの時はピン子さんを傷つけてしまったようだ」と教えられ、失礼なことをしてしまったと、反省しています。引用元:NEWポストセブン
長台詞には『おしん』出演者全員が苦戦(笑)。子役時代のあとの青年期のおしんを担当した田中裕子さんに至っては長台詞を含め、余りに大変な状況に撮影途中で倒れ、1か月以上も撮影が中断されたという現場の過酷さを象徴するエピソードも残しています。
画像:NHK
泉ピン子さんと言えば橋田寿賀子さんのドラマの常連キャストの大女優・であり、橋田寿賀子ドラマについては誰よりも知り尽くした超ベテラン、ということで今では考えられないようなエピソードですが、『おしん』当初は小林綾子さん同様、まだ橋田寿賀子ドラマの長台詞を覚えるコツもなく、今以上に苦労されていたようです。
また、出会った当初はまだ小学生の子役・小林綾子さんともうすでに十分大人だった泉ピン子さんでしたが、それ以降も橋田寿賀子ドラマの常連出演女優としてお二人とも縁が続き、泉ピン子さんは舞台で使用するための大切な化粧台を小林綾子さんに譲ったりもしていたようです。
画像:ORICON NEWS
■泉ピン子さんの『おしん』以前の下積み時代若い頃のお話はこちら
それだけ泉ピン子さんからも認められている女優さんとして成長を遂げた小林綾子さんなのでした。
◆子供時代の小林綾子がオーディションでNHK朝ドラ『おしん』天才子役として少女時代に選ばれた理由とは?その時の年齢は?目立たないし美人じゃないけど…?写真画像
小林綾子さんは一般の5次審査まであるオーディションを通して、最後の二人にまで残った少女だったそうです。実際は小林綾子さんではない方の少女が本命だったとも言われており、そちらは人気子役だったためスケジュール調整が出来なかったことから当時、年齢10歳という小林綾子さんになった、とも言われています。
画像:https://www.jiji.com/jc/d4?p=cld107-jpp00918391&d=d4_oo
しかし、その「おしん」少女時代のキャスティング選考時の話を、演出を担当した江口浩之氏がのちに色々と語っており、その話を追っていくと、小林綾子さんはその本命と言われていた少女よりも不思議な魅力で選ばれていたと言えそうです。
江口浩之氏が見た最初の小林綾子さんの印象としては、面接でもそんなに美人でもないし目立つ子ではなかったということだったらしいです。
では、一体
どうして選ばれたのでしょうか?
その時のこと、小林綾子さんを選んだ明確な理由を江口浩之氏はこう語っています。
そんなに目立つ子じゃなかった。美人でもないしね。でも何かある。それをみんな感じたんだよ。で、オーディションの最期の方になったらもう、断然 綾子がいいんだな。周りよりも。
結局、彼女の人間性なんだよね。
小林綾子さんは物語を通して伝えていきたい空気や感情を素直な心で表現できる逸材だったようですね。子供だって大人と同じように「心の色」がその人の「持っている色彩」を形成していくのは一緒のようです。
確かに小林綾子さんは子供の頃も何だか愛嬌のある、とてもあったかい顔立ちをしていますよね。
今でも演技がうまかったとは俺は思わないけど、何かその主人公の気持ちになったものが自然と出てきて…あれは大したもんだ。
演出を担当した江口浩之氏の目論み通り、小林綾子さんはおしん少女期を期待をはるかに上回る演技で熱演し、日本中から涙を誘う天才子役の少女と呼ばれるまでになりました。
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