1990年代にドラマ・ドラマ・CM・歌番組・ラジオと多方面でアイドル的な人気を得した裕木奈江さん。その一方で、「魔性の女」「嫌いな女性タレント1位」等、主に女性からの支持がガタ落ちしてしまう不運に遭い、テレビだけでなく、日本の芸能界から追放されたとも噂されていました。
ところが、ある日、たくましく清々しい姿でもう一度私たちの前に姿を現すことになります。今回は第2弾として輝かしい復活を遂げることになった「ツインピークス」出演について調べていきたいと思います♪
裕木奈江つよ~い☆きらきらやーん♪
◆裕木奈江がツインピークス the return(デビットリンチ監督)に出演!?
まぢで!?というのが第一声(笑)
すごーい!!
裕木奈江さんは女優として生きることを
決して諦めてませんでした。
日本を諸事情で去った後の裕木奈江さんはアメリカにわたって女優を目指しました。
諸事情はこちら↓

1999年 結婚を機に、アメリカ、ロサンゼルスに移住。以降は、ロサンゼルスを拠点に活動。
2001年 映画『光と雨』に出演。永田洋子をモデルとする冷酷非道な新左翼幹部を演じ、その演技力が高く評価される。
2004年 「新進芸術家海外留学制度」に自ら応募し、文化庁の在外研修生(国費留学生)としてギリシャ・バロス島に滞在しながら1年間、演劇を学んで話題となる。
2006年 日本での舞台『無頼の女房』に出演
同2006年この頃までに英語と演劇を学びつつ女優として着実にキャリアを積んだことで、クリント・イーストウッド監督作品『硫黄島からの手紙』のオーディションに参加、自力で役を獲得。見事、ハリウッド映画に「NAE」として進出。
2006年 日本での舞台『無頼の女房』にて坂口安吾の妻役で出演。
2007年 デビッド・リンチ監督『インランド・エンパイア』に出演。
2009年『Spicy Mac Project』『White on Rice』アイスランド映画『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マカサー』に出演。(日本公開は2011年)
2012年伊勢谷友介監督の映画『セイジ―陸の魚―』に出演。
2017年 デビッド・リンチ監督の海外ドラマ『ツイン・ピークスThe Return』に出演。

裕木奈江つよい!!
ここから裕木奈江さんは名だたる巨匠の映画に出演する国際派女優へと華麗なる変身します。特にターニングポイントになった出演作について次に少し記載したいと思います。
◆裕木奈江は『硫黄島からの手紙』オーディションから自力で役を獲得!
『硫黄島からの手紙』では嵐・の二宮和也さん演じる西郷一等兵の妻である西郷花子役を演じました。こちらの作品は裕木奈江さんはオーディションから参加して、自力で役を獲得しています。

『硫黄島からの手紙』裕木さんと二宮和也さん
実力で役柄を獲得するなんてカッコいいですね!!
召集令状が届いて
「私には主人しかいません。お腹には子供がいるので勘弁してください。」
という場面と、夜の別れの場面のたった2シーンでしたが、とても心に残る演技として視聴者に印象付けました。

泣かせどころのシーンでしたね。
◆裕木奈江の運命を変えた映画『インランド・エンパイア』(デビット・リンチ監督)
裕木奈江さんは初めエキストラ役としてライブハウスでのセリフのない役として出演予定だったそうです。それをデビッド・リンチ監督が気に入り、台詞の有るストリートパーソン2の役に変更となっての出演となったそうです。
ストリートパーソン2というとかなり小さな役というイメージなのですが…
とてもインパクトのある役だったようです!
裕木奈江はその映画のおそらく。。。おそらくは一番重要な(ストーリーが破綻しているので、どこが重要なのかは監督本人しかわからない)場面に「通行人2」で出てきます。通行人2というより、ホームレスみたいな貧しい感じです。黒人男性と薄汚い街で、ストリートに座って・・・。
そして英語でながーいセリフ(もちろん意味不明)をまくしたてます。その後、そのセリフとは関係があるのかないのか、さっぱりわからない展開を見せて映画は終わります。
その場の彼女の雰囲気は、うるんだ瞳で、破綻したセリフを、もっと破綻した英語の発音で、生きている死人みたいな表情で演じていて、さすがリンチと僕はうなってしまいました。彼女に会った瞬間に、この展開を思いついたのでしょう。
監督に新しいひらめきとイメージを沸かせた裕木奈江さんだったのでした。
エキストラからチャンスをつかみ取ったということですね。
衝撃的な話はこちら
「インランド・エンパイア」では、英語で長ーいセリフを話していましたが、なんと英語のセリフなのに、英語の字幕が出ていました(爆)
裕木奈江の異常な発音も、同じような彼流の「エフェクト」だったのかも。
あはははは。

『硫黄島』のオーディションといいスゴイ!ですね。
英語と生活の自立が大変だった!
渡米のきっかけはギリシャ留学
渡米のきっかけは、2004年から1年間文化庁の新進芸術家海外留学制度でギリシャに渡ったことが大きかったという。
裕木:まずは授業も英語で語学の習得が大変でしたし、それまではマネージャーさんと一緒だったのが、生活の全てを自分一人で行うというのも10代以来だったのでいい経験になりました
渡米してからはマネージャーさんは居なかったようですね。
裕木:初めから仕事があるわけではなかったので、日本とアメリカを行ったり来たりしていました。
そのうち映画俳優組合にも入れて、『インランド・エンパイア』で憧れのリンチ監督ともお仕事できたので、じゃあ住んでみようかなと。ですから、決して全部を断ち切って行ったというわけではなかったんです。
この時の経験があって、『ツインピークス』につながるわけですが、『インランド・エンパイア』は2007年のことなので、随分先になって縁が出てきたことになります。
約11年後にリンチ監督と再会することになります!
◆裕木奈江は『ツイン・ピークス The Return』出演!デヴィッド・リンチ監督より直接オファーきた?
2017年には、裕木奈江さんはデビッド・リンチ監督作品である『ツイン・ピークスThe Return』において、アジア人としては唯一、監督からの直接オファーを受けます。
アメリカの大ヒットドラマ「ツイン・ピークス」における25年後を描く新シーズンだそうです。
ツインピークス観てましたよ!!
これは、2007年の同監督作品である映画『インランド・エンパイア』において、監督自身が裕木奈江さんの演技を認めていたからという理由にほかなりません。与えられた役もとても重要な役どころで、出演した日本人女優大変女優として名誉なことですね。

デビット・リンチ監督
裕木奈江さんにとって、デビッド・リンチ監督は憧れの監督さんだったので、大変うれしかったといいます。
『ツイン・ピークス』のように、
『この監督とだったら10時間以上何も見えない状態でもいい』と思えるような方とでしたら、どういう役であっても『やらせてください』というスタンスだと言い、常に初心を忘れないことをモットーとしている。
10時間以上何も見えないなんて、かなり撮影はハードそうですね。

『ツインピークス』ならではの赤いカーテンの部屋に居るなんて、日本人としてその活躍が誇らしいですね。
◆裕木 奈江が英語で演じるツインピークスの役は目が特徴的!?
裕木奈江さんはベルベットのドレスを着た謎の女性、Naido(ナイド)役を演じられています。
憧れのカイル・マクラクランとの共演での印象は
「見えなかったことです」(笑)
目がプロステティック(特殊メイクの一種)で覆われているため、一見裕木とわからない人もいるかもしれないが、一度観たら忘れられない不思議なキャラクター。
「台本上では“目を縫い閉じられた女性”とあったのですが、彼女が何者なのかは監督からも明かされていません。演じるときには、きっとどこかに小さな穴が開いていて見える状態になっているはずと思っていたら、
デザイン重視のせいか穴はなく、全く見えない状態で演技をしていたんです」と驚きの裏側を明かす。
このメイクに3時間かかるらしい!!
撮影エピソードとしては、Naidoという役が「目を縫い閉じられた女性」ということで、裕木さんの目は特殊メイクで覆われ、何も見えない状態でいることが14時間にも及ぶこともあり、
さすがに我慢の限界を超えたこともあったとの話があります。
今回演じたナイドについては、「あの不思議な空間に隔離されていながら、あの世界に守られている存在」
年を重ねたままの姿で、魂となっても怯え続けている人間も登場しますが、私は人間じゃない、よくわからない存在としてあの空間に隔離されているの。マシーンをコントロールしたりしている(笑)と語った。
そして、やっぱりコーヒーとドーナツとチェリーパイ!!
◆裕木奈江はツイン ピークス the returnで目を閉じられた上、裸で森林にいる役!?
ともかく好きな監督の作品であれば、どんな役でもなんでもやる!との発言通り、かなりの意気込みの演技と役です!目が見えないうえに裸体ですから、もろもろの消耗度合いのある役柄だったと思います。
体当たりの演技だったのですね!
新シリーズでは、「ツイン・ピークス」最終回でローラ・パーマーがクーパー捜査官に「25年後に会いましょう」と告げた、まさにその“25年後”の世界が描かれる。
しかしローラ・パーマー!!なつかしい!!
どなたかが、こんな感想を寄せていました。
ブラックロッジに囚われた人間が現世に還ってくるには、
こういう複雑な経路を通らなければ戻れないんだなという事がわかった。
この言葉のニュアンスがとても絶妙だなと思います。
ブラックロッジに囚われた人間が現世に還ってくるには、
こういう複雑な経路を通らなければ戻れない。
◆裕木奈江がツインピークスリターンのキャストカイル・マクラクランは「すごく紳士」
裕木さんの出てくるシーンの中で一番一緒になることが多かったのはカイル・マクラクランさんだったようです。
全然変わってないカイル・マクラクランさんにまずはビックリ(笑)
カイル・マクラクランさんはキャラクター通りとても紳士的な人のようです。
裕木は本作で“Eyes sewn shut(目を縫いつけられた)女”ナイドを演じている。
共演シーンが一番多かった、主演カイル・マクラクランについて、
「カイルさんは、すごく紳士。私は7センチぐらいのピンヒールを履いて、何も見えない状態でセットを登ったり降りたりしなくてはならないという結構怖い状態で、いつもADさんなど誰かがついていてくださるのですが、
ある日、そばにいるのがカイルさんだと気づいたんです。本当に優しい方。とても感動しました。
まさにそのシーンがごれ(笑)
その時の、カイルさんが私の手をとってスタート地点までエスコートしてくださった様子をスタッフさんが写真に撮っていて、送ってくださったんですよ」と驚きのエピソードを披露してくれた。
カイル・マクラクランさんが来日した際、彼は
「ずっとデイル・クーパーに戻りたかった。」と言います。
見どころについて聞かれたカイルは「僕の役を絶対に観ていただきたい(笑)」と会場を沸かせた後、ずっとデイル・クーパーに戻りたかった。一番興奮したのは、再びリンチと組めるということ」とコメントした。

やはりこうしてみると時の経過を感じますね。
◆裕木奈江が昔と今現在の心境の違いについてインタビューで話す!
裕木奈江さんのインタビューは日本での様々な思いと経験が咲いてるな~という印象的でした。
日本での20年近いキャリアがあるので、たとえアメリカでも、焦ったりパニックになっちゃったり、落ち込んだりしないんですね。
人前に出る経験や、台詞を覚えて人前で喋るという経験があるので、何かを喋ることに対して焦らない、というように訓練されている。場所がアメリカになっただけなんです。
それよりも、(台詞や演技を)覚えて、ちゃんと表現できるか、ということに集中すれば良い。
私が提供した演技を監督がどう扱うかかは、彼らの仕事です。
演技をプロとして売っている、という認識がとても強く整理されています。物語や演技指導について裕木さんは役者として監督のイメージを出来るだけそのまま乗っけられる状態、つまりは「空」とか「色のない状態」を持っているようです。
使うかどうかは監督次第。私の判断する範疇にないもの。
彼らがGOにしたものは、私が商品として売ったものですから、使われるにしてもカットされるにしても、私が何か言えるものでもないんですね。
そういう思考回路が出来上がっているので、大丈夫でした。アメリカだから、日本だから、っていう感覚はありません。
裕木奈江さんの女優としての行動指針は「決めないこと」
やっぱり、貰う仕事ですし、自分で決められることが少ない仕事だと思うんですね。メイクも衣装も台詞も、誰かが決めたもの。その上、監督の指示に従う必要がある。
普段は自分の身体を自分で使っているわけですが、役者の商いはUBERの商いのようなもので(笑)。この声が出て、こういう動きができて、という身体を貸し出している感じ。役者として存在している間は、自分でジャッジをしないことです。
こうした考えだからこそ、「好きな監督さんであれば、どんな役でもやりたい」ということになるのでしょうね。

ステキですね~
共感できない役がどうとかは関係ない。
キャリアの中で、共感できない役を頂くこともあるわけですが、それは関係ないんですよ。UBERがどんなお客さんでも乗せるのと同じ。乗車拒否はできないということです。
最後に今後の目標について聞くと、「これも、自分では決めていなくって」と飄々。
ここに、裕木奈江さんが体験した若い時代の日本での経験があるのかなと感じます。おそらく、あの経験について自分自身は「被害者」だったわけではなく、女優として喜ぶべき功績を作ったということじゃないか!?ということに気づいたのでしょう。
しなやか!!ステキ!
今後の生き方についても「決める」ことはしない(きっとしたくないw)ようで…
「スケジュールと仕事の内容さえ合えば、どこにでも行きます。」
とのことなので、まだまだビックリする展開があるかもしれませんね!
今回は正直、「幸薄くて、刹那的で、はかない」イメージの裕木奈江さんを想像して情報を集めたのですが、もうびっくりするほどパワフルでたくましい女性だったことが最大の驚きでしたし、圧巻でした!
いろいろとキラキラするためのヒントが満載でしたね。

まだまだ続きがありそうで楽しみですね!
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