今回は2018年20歳の若さで日本人初のグランドスラム初優勝に続き、2019年にはスタートからアジア初の全豪オープン初優勝を達成した大注目のプロテニスプレイヤー大坂なおみ選手の二重国籍問題や日本代表選手としての国籍選択に関する問題について改めてまとめました。
国籍に関する情報を集めるうちに、大坂なおみ選手選手のご家族の日本に対する思いや、大坂なおみ選手をここまでの選手にするために日本側の様々な立場にある方たちの長年にわたるサポートがあったことなども出てきましたので一緒にお届けできればと思います。
◆2019年10月 大坂なおみが国籍選択期限直前に日本国籍選択!東京オリンピックを目指すと報道 毎日新聞twitter画像
2019年10月10日、各報道機関が注目されていた大坂なおみ選手の国籍選択手続きが行われたことを報道しました。注目された毎日新聞からも大坂なおみ選手の日本国籍選択の早々に第一報が流れ、2020年の東京オリンピックを目指す内容でまとめられていました。
大坂なおみ選手が日本国籍を選択、手続きをしました。東京五輪で日本代表として出場を目指します。https://t.co/HfvLUbBal0
— 毎日新聞 (@mainichi) October 10, 2019
2020年、大坂なおみは日本人選手として東京オリンピック出場を目指す!
しかし、実はこの問題は日本国籍を選択したからといって大坂なおみ選手の二重国籍状態が是正されたという意味ではないのではないかと思われます。つまり、今までと全く変わらない状態の維持のための日本国籍の選択。
◆大坂なおみの国籍は?これまで騒がれていた二重国籍問題とは? 画像
そもそもこの問題を考えていくには大坂なおみさんの国籍がどういった経緯で二重国籍状態となったのかを知らなければなりません。
大坂なおみさんの二重国籍が注目されたのは2018年末20歳でセリーナ・ウィリアムズさんを倒しグランドスラム初優勝をした事と2019年1月の全豪オープンで初優勝という快挙を果たし、男女通じてアジア人初となる世界ランキングで1位を獲得したニュースからでした。
国籍の問題などは正直、本来どうでもいい小さな話なのではないか?ということも先に書いておきます(笑)。
大坂なおみさんにとっては小さい頃からセリーナ・ウィリアムズさんに憧れて一生懸命テニスを練習してきた経緯があり、セリーナ・ウィリアムズさんのことをずっと「テニスの母」と尊敬の念を持ってきました。
大坂なおみさんのグランドスラムでの初優勝の際は、突然の王者交代に色々と波紋もあったようですが、その後もセリーナ・ウィリアムズさんとは良好な選手間の関係を保っているようです。
決勝戦進出でセリーナ・ウィリアムズとプレイすることが決まった時のインタビューで「セリーナにメッセージを」と言われ、彼女(大坂なおみ選手)がもらした言葉が「I love you」だったのが印象的です。
引用元:https://1ovely.com/osakanaomi/
ひとつの試合の勝ち負けという話ではなく、小さい頃から背中を追いかけてきたセリーナと同じコートで試合できること自体、それが現実となったこと自体が何よりも奇跡的で大きなこと!
セリーナ、勝利後の“大坂なおみ質問”に爆笑回答「私は『テニスのおばあちゃん』よ」 #テニス https://t.co/alUkPCWEq8
— スポーツナビ (@sportsnavi) August 10, 2019
それをのちにインタビューアーから尋ねられたセリーナ・ウィリアムズさんは、第一声、「私はどちらかといえば『テニスのおばあちゃん』だと教えてあげるわ」と笑いを誘う回答をされたという事です。
大坂なおみさんにとっては自分たちと同じ混血の小さな姉妹が父親に指導されて、世界で闘えるレベルへと進んでいった姿に憧れ、テレビで見て、いつも背中を追うように姉妹で練習を重ねてきた経緯がありました。
国籍や勝敗や年齢
を超えた、
はるか向こうのキラキラしたもの。
◆大坂なおみは本名の通り出生地が大阪で日本語が話せなくても元々、日本国籍を付与されていた 画像
さてそもそも、大坂なおみ選手の二重国籍が発生したのはどのような経緯なのでしょうか?それには大坂なおみ選手のご両親の国籍が関係しているようです。大坂なおみさんの生まれは1997年、実は意外にも日本国内の大阪府でした。
◆大坂なおみの母親・大坂環の国籍は日本で出身地は北海道根室市 画像
というのは大坂なおみ選手の母親である大坂環(おおさかたまき)さんは日本人離れした雰囲気がありますが調べてみると、北海道根室市出身の純粋な日本人なのだそうです。大坂なおみ選手の苗字「大坂」は母親の苗字だそうです。
画像:https://corocoro-tabi.com/oosakanaomi-mother-half-father
大坂環さんの父親(大坂なおみ選手の祖父)の出身地は歯舞群島の勇留島だった!!
念のため、歯舞諸島はココ
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南国風なのにめっちゃ北国(笑)
◆大坂なおみの父親・レオナルド・フランソワの国籍はアメリカで出身地はハイチ共和国 画像
一方、大坂なおみ選手の父親であるレオナルド・フランソワさんはハイチ系アメリカ人(アメリカ国籍)だということです。出身はカリブ海の島国ハイチだということで、大坂なおみさんの活躍は遠い中南米ハイチでも偉業として報道されているのだそうです。
画像:https://wolf-log.com/archives/21902
【リマ共同】「あなたを誇りに思う」。テニスの全豪オープンの女子シングルスで大坂なおみ選手が優勝したことについて、大坂選手の父親の出身地、カリブ海の島国ハイチでも歓声が上がった。
地元のネットメディアは「情熱的な試合の後、ハイチ系日本人が女子の世界ランキング1位となった」と速報した。
引用元:佐賀新聞LIVE
ハイチの人からも大坂なおみ選手の偉業には歓声が上がったようですね。大坂なおみ選手の父親の方のアメリカ国籍がどのような経緯でもたらされたのかは定かではありませんが、レオナルドさんの生家は両親ともにハイチに対する思い入れの強いご家庭だったようです。
お父さんの両親は英語を話さない生粋のハイチ人で、ハイチ文化あふれる家庭だったそうです。
ハイチの国の人も大坂選手を応援してる!
画像:The Answer
また、大坂なおみさんの父親・レオナルドさんは学生時代からアメリカ国内に(5年以上)居住しており、その後に暫くして北海道で(別の情報ではニューヨークで)妻となる環さんと出会うことになります。ですから、レオナルドさんのアメリカ国籍は学生時代に取得されたものだと推定されます。
米国市民権は、米国市民との結婚により永住権を取得した場合は3年、それ以外の取得方法では5年経過後に申請することが可能です。
ほかの条件としては、18歳以上であること、過去30ヶ月間(米国市民と結婚している場合は18ヶ月間)米国内に居住していること、居住している州内、あるいは申請する米国移民局(USCIS)の管轄内に、過去3ヶ月間居住していることなどが挙げられます。
引用元:ハワイに住む.net
ハイチが二重国籍を合法化したのは2012年という事なので、レオナルドさんが何らかしかの方法でアメリカ国籍を得た場合、当時の法律と合わせて考えると、ハイチ国籍からはアメリカ国籍の取得と同時に離脱していると思われます。
画像:https://topigoo.com/osaka-naomi-chichioya-shokugyo/
念のため、ハイチはココ
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パパはテニスについて何も知識はなかったそうですが、子供を2人ともプロテニス選手にしてるなんてすごい人ですw
The EZONE Limited Edition racquet is finally here! This exclusive gold racquet was designed in collaboration with @Naomi_Osaka_ to celebrate her historic rise.
More info: https://t.co/RmhBlrIvEA #FarBeyondOrdinary #EZONE pic.twitter.com/HCnWAcKQwF
— Yonex Tennis (@yonex_tennis) July 15, 2019
大坂なおみ選手の父・レオナルドさんは1994年から2000年頃に日本で英会話講師として働いていたようです。1990年に札幌(別の情報ではニューヨーク)で出会い、1995年には後にご結婚される大坂なおみ選手の母親の大坂環さんと、結婚後は移転して大阪市西区の九条駅周辺で生活されていたということで、その時期に生まれたのが大坂なおみ選手とお姉さんということになります。
そして、2000年の大坂なおみさんが3歳のになる年には大阪の地において父親の指導でテニスを始めています。
テニスをスタートしたのは日本!
家族が暮らした大阪時代の1999年に全仏オープンで活躍するウィリアムズ姉妹を見て、大坂なおみさんの姉妹を第2のウィリアムズ姉妹に育てることを決めたのはほかでもない父親・レオナルドさんでした。
画像:靭テニスセンター
レオナルドさんのアメリカ合衆国の国籍が大坂なおみさんへ引き継がれた経緯にはレオナルドさんの合衆国滞在年数が関係していたようです。
海外で生れた子供で、両親がアメリカ人と外国人の場合
● 1986年11月14日以降に出生した子供
1986年11月14日以降にアメリカ、アメリカンサモア、スウェイン諸島以外の場所で、アメリカ人と外国人の親から生れた子供は、子供の出生前にアメリカ人の親がアメリカ、アメリカンサモア、スウェイン諸島のいずれかの場所に合計で5年以上(5年間の内2年間は14歳以降)居住したことがあれば、米国籍を取得できます。
引用元:在日米国大使館・領事館
レオナルドさんがアメリカ合衆国の国籍の取得後、合計5年以上居住していたことにより、子供達にも獲得できたもののようです。
◆大坂なおみは幼少期にアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドのエルモントからフロリダへ。アメリカ国籍の取得基準も満たし二重国籍状態が続いた? 画像
そして、2001年には大坂なおみさんの家族は大阪姉妹にとってより良いテニスの環境を整えるため、大阪からさらにアメリカのニューヨーク州ロングアイランドのエルモントに移住します。
画像:https://nanatsunoumi.net/2228/_/09/_/12/
アメリカ移住後も引き続き父親のレオナルドさんは娘たちのテニスのコーチを続けており、その際、大坂なおみさんの母親が懸命に会社勤めで事務の仕事を続け、家計を支えていたという話があります。
大坂なおみのニュースでキャスターが
「ハイチ人の父親と日本人の母親でアメリカに住む大坂」
ってややこしいなって思ったw
— T∀KU@MINI乗り (@bmwminir_53) October 11, 2019
大坂なおみさんが中学生になる2006年頃には一家はテニスの聖地であるフロリダへ移住し、大坂姉妹がテニスの練習に時間を割けるように、通信制のオンラインで授業を受けられる中学校、高校へ進学し、よりテニスに集中できる環境を整えていったようです。
2年の飛び級を果たす!
Played escape room with the family ❤️ pic.twitter.com/q3jc87lwWW
— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) February 4, 2018
経済的に厳しい状況だったと言われている大坂なおみ選手の一家のフロリダ時代ですが、経済的なものを除けば、家族はとても豊かで富に満ちた時代でもあったようです。
こうした経緯から、4歳以降、大坂なおみさんは大半をアメリカ合衆国内で生活していることになり、日本で生まれながらも、日本語よりも英語が流暢という状況となったようです。
画像:Sports Bull
励まされる側から励ます側へ!
2007年(10歳)全国公共公園テニス協会選手権(14才以下女子ダブルス)において姉とダブルスを組み優勝、4才以下のフロリダ選抜へ選出される。
2008年(11歳)ヨネックスとスポンサー契約締結
2011年(14歳)ITFサーキット「モンテゴ・ベイ大会」でデビューを果たす
2013年(16歳)プロへ転向 世界ランキング127位
2014年(17歳)飛び級で高校卒業、バンク・オブ・ウェスト・クラシック本選出場
2015年(18歳)10月の誕生日を迎え試合制限解禁、WTAファイナルズのライジング・スター・インビテーショナルに出場し優勝
2016年(18歳-19歳)全豪オープン予選突破、グランドスラムへ初出場を果たす。大会後の世界ランキングで95位となる。
2017年(19歳-20歳)全米オープンの初戦で前回覇者アンゲリク・ケルバーに勝利(トップ10に初勝利)
2018年(20歳-21歳)プレミア・マンダトリートーナメント日本人として女子初優勝、WTAランキング44位→22位へ。
全米オープン日本女子として22年ぶりのグランドスラムベスト4進出(全米オープンは初)後グランドスラム初優勝達成!!(20歳)WTAランキング22位→7位(トップ10入り)
東レパン・パシフィック・オープン準優勝、WTAランキング7位→4位(錦織圭選手、伊達公子選手とタイ)WTAファイナルズに出場(日本女子3人目)
2019年(21歳-22歳)
全豪オープン初優勝!!世界ランキング1位!!(男女通じてアジア人初)
番狂わせの数々を達成!

とにかく、化け物のような新星として突如出現したような大坂なおみ選手なのでした!しかもまだとっても若い!!
(全豪オープン・優勝まで)
大好きな抹茶アイス、
ずっと我慢してました。
by #大坂なおみ pic.twitter.com/tzQqjNFVD7
— ヨシ@SNS×LINEでダウン集客 (@miroku369yoshi) April 11, 2019
大坂選手も子どもの頃は、周りの人から「夢は大きく、自分の夢に向かって進め」と励まされながら、ボロボロの公営コートで練習していたという。そして「今こうして私が子供達を励ませる立場である事は本当に凄い光栄です」と、素直な言葉で語った。
引用元:週刊大衆
大坂なおみ選手がアメリカ国籍を取得していたと仮定すると、ここまでのアメリカでの生活のどこかのタイミングで取得した可能性があります。2011年までの段階では大坂なおみ選手のご両親はアメリカの全米テニス協会へ支援を依頼していたという話がありますので、そのタイミングで準備として取得されたのかもしれません。
つまり、ここまでをまとめると…
大坂なおみ選手のご両親は北海道(N.Y)で出会い、結婚後大坂に移転後、その地で1996年と1997年に子供たちを迎えました。つまり、大坂なおみ選手とお姉さんは日本国籍の母とアメリカ国籍の父の間の子で、日本国内で出生したということです。そのごアメリカへ移住し、何らかの形でアメリカ国籍を取得し、二重国籍となったという事です。
◆大坂なおみが国籍を決定する国籍期限とは?画像
大坂なおみ選手の二重国籍問題で「国籍期限」ということが注目されました。
大坂なおみ選手の国籍は法律上、日本とアメリカ合衆国の二重国籍となっていた。
アメリカ合衆国の身分法上は二重国籍を認めていますが、我が国、日本においては原則的に二重国籍を認めていません。そのため、何かしらの要因で二重国籍状態になった人に対しては日本では例外的にその状態が認められる期限が国籍法第14条第1項において定められています。
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
引用元:国籍法第14条第1項
【要約】20歳になる以前に日本の国籍と外国の国籍を有する状況となった人(重国籍者)は,22歳に達するまでに、二重国籍状態になったのが20歳以降の場合はそこから2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
大坂なおみ選手が日本国籍を選択しました。
関係者によると「東京五輪に出るために必要な手続きを取った」といいます。https://t.co/UWToOgBTDU— 産経ニュース (@Sankei_news) October 10, 2019
大坂選手の場合
22歳までに、いずれかの国籍を選択しなければならない(日本の国籍法)
(1)昭和60年1月1日以後に重国籍となった日本国民
ア 20歳に達する以前に重国籍となった場合→22歳に達するまで
イ 20歳に達した後に重国籍となった場合→重国籍となった時から2年以内※ なお,昭和60年1月1日以後に重国籍となった方が,上記期限までに国籍の選択をしなかったときには,法務大臣から国籍選択の催告を受け,場合によっては日本の国籍を失うことがあります。引用元:法務省
「日本国籍について」22歳の誕生日まで(期限まで)に日本国籍を維持する(選択する)かどうかの意思表示をしないと、日本国籍を失う恐れがあるというものがあります。(実際はめったに抹消されることはないようですが一応そのように明文化されています。)
大阪出身の大坂選手、東京オリンピック、是非、頑張って下さい。
〉大坂なおみ選手が日本国籍選択 来年の東京五輪へ手続き(共同通信) – Yahoo!ニュース https://t.co/pQXlKlVt73— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) October 10, 2019
日本国籍を維持する選択→日本国籍の選択
関係者によると、日本の法律で定められた国籍選択のタイミングとなる22歳の誕生日を16日に迎える前に関連書類を提出し「東京五輪に出るために必要な手続きを取った」としている。同五輪には日本代表として出場を目指す意向を表明していた。
引用元:yahooニュース
これによって、大坂なおみ選手が「日本国籍を選択!」という報道となりました。←今ココ
しかしこれで二重国籍状態が解消されたかというと…?実際はこれだけでは二重国籍のままのようです。(後述)
◆大坂なおみの国籍選択問題でアメリカ国籍を取得すると騒いで政権より先に倒れた毎日新聞記者・潮田道夫氏が鍵アカになって再度話題に ツイッター画像
大坂なおみ選手の全豪オープン初優勝&世界ランキング1位となった歴史的快挙の翌日、毎日新聞客員編集委員で、帝京大学教授の潮田(うしおだ)道夫氏がこのようにツイートをし、大炎上を起こしました。
>>【大坂なおみ、日本国籍を選択】
ここで潮田先生のこれを思い出すのはやめてあげてくださいッ! pic.twitter.com/1KKpksL3VM
— 四条あんこ (@shijo_and) October 10, 2019
大坂なおみの国籍選択の期限が来る。五輪もあるし、多分米国籍を選択すると思うが、そのときの日本人の失望はすごいだろうな。政権が倒れるぞ、下手すると。マスコミも困るだろうな。どうする諸君。
引用元:潮田道夫公式twitter
この投稿に対し、この投稿を見ていた一般の方々の反応はというと…。
●じっくり考えても大坂なおみ選手の国籍選択問題と政権の何がどう関係するのかさっぱりわからない
●何故政権が潰れるのか? 偏向報道はやめていただきたい
●なんでこう、政治に無関係な一選手を使って政権批判につなげようとするのでしょう
●乗っ取られたの? と疑うほど酷いツイート
●こういう発想は見てて恥ずかしい
●どうする諸君もなにも、そんなの個人の自由だし
●ご本人の意思を尊重します
●純粋に応援や感動メッセージを送れないのかな
●会社で取っている毎日新聞を今日無理矢理解約しました
などと批判が殺到したそうです。一般の国内の人々の中にはまだまだ日本の美意識がしっかりとあり、日本の民意も捨てたものじゃないなと、大炎上ツイートでしたが、なんだかホッコリする結論だなと思ったのは私だけでしょうか。
潮田道夫さんの
大坂なおみが米国籍選択
↓
国民が失望
↓
政権崩壊って説、まるでいけないルナ先生の「わたるが死んじゃう〜」理論みたいだなと、当時呟いた記憶。 pic.twitter.com/IwNxr2pa1N
— いがでん (@igacrystal) October 11, 2019
今回、大坂なおみさんが日本国籍を選択したという報道で、潮田道夫氏の公式twitterが政権より先に鍵アカウントとなり、実質、倒れてしまうことになりました。
◆大坂なおみが2019年10月に日本国籍選択の手続きをした意味とは?ひとつの国に決定したの?変更された?現在の国籍は?画像
大坂なおみさんが22歳の誕生日が迫る2019年10月に「日本国籍を選択」したというニュースはすぐに報道されました。
大坂なおみ選手が日本国籍を選択しました。
関係者によると「東京五輪に出るために必要な手続きを取った」といいます。https://t.co/UWToOgBTDU— 産経ニュース (@Sankei_news) October 10, 2019
しかし、本当はこのニュースは実質「現状維持」を意味する内容であり、肝心の内容が入っていませんでした。
肝心の内容とは、「アメリカ国籍」からの離脱です。
大坂なおみ選手が今回「日本国籍」選択したという工程は下の図を見るとわかるように赤枠の上から2つ目3つ目までの項目となります。国籍法14条2項後段の「日本国籍の選択宣言」がなされ、国籍選択の義務は果たしたということになります。
画像:法務省
上から4つ目の赤枠の「外国国籍を喪失していない場合は、外国国籍の離脱の努力をすること」(国籍法16条1項)については報道では語られていません。これは、読んでわかる通り、必達事項ではなく努力義務の項目。念のため、原文も載せておきます。
第十六条 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。
引用元:国籍法第16条第一項
努力義務だからぶっちゃけ、必要に迫られなければやんなくてもいい(笑)
つまり、ここまでだと今まで通り二重国籍のまま!(笑)
◆大坂なおみが日本国籍の選択後、アメリカ合衆国での法律上の扱いは??画像
アメリカ合衆国ではアメリカ人とその他の国籍の人との間の子供の国籍についてこのように扱っています。(大坂なおみさんに該当する部分のみ抜粋)
画像:価格.com
また、アメリカ合衆国では二重国籍について以下のように述べています。
画像:NEWS JAPAN
二カ国での国民の権利を得、責任を負うことになる。
“法律上認められている資格”であり、“二カ国での国民の権利を得、責任を負うことになる”と述べています。
一国の市民権を主張することで他方の国の権利を放棄したことにはなりません。(Kawakita.v.U.S., 343 US 717 [1952]参照)
米国法は、出生により二重国籍を取得したアメリカ人や、子供の時に第二の国籍を取得したアメリカ人に対して、成人したらどちらかの国籍を選択しなければならないという特別な決まりを設けていません。(Mandoli v. Acheson, 344 US 133 [1952]参照)
引用元:在日米国大使館・領事館
アメリカではずっと二重国籍を認めているということですね。
画像:https://kaikore.blogspot.com/2018/10/naomi-osaka-birthday.html
ただし、権利と同時に「責任」も追わなくてはならないというところで、二重国籍のうち「外国」がどこかにもよりますが、二重国籍の場合、納税や所得の申告、相続等で義務が発生する可能性が出てくるため、なかなか難しい問題を抱えているようです。
◆大坂なおみの国籍選択によってはアメリカ国籍離脱税という税金!?
大坂なおみ選手がアメリカ国籍を離脱する手続きが努力義務であるということであれば、大坂なおみ選手はアメリカ国籍を離脱するという選択もわざわざ取らないだろうと言われています。
その理由としては大坂なおみさんがアメリカ国籍を離脱するとなると、その為の税金としてかなりの金額が課されるのではないかと言われているためです。
「アメリカと日本は、両国とも所得が高いほど負担が増える累進課税を採用していますが、所得税の税率が異なります。ザックリ計算すると、アメリカは最大37%、日本は45%+住民税となります。大坂は日本国籍を取得しても、米フロリダ州に自宅を構えているため、現地で固定資産税なども支払い続けねばなりません。さらに、日本国籍を選ぶと、『国籍離脱税』の支払いを命じられる可能性も出てきます。ここに、日本から所得税の徴収も加わるわけです」(社会部記者)
あくまで推定だが、大坂はこれまで大会賞金、スポンサー契約料などで数十億円を稼いでいる。国籍離脱税、日本に支払う追加分等を計算すると、日本国籍取得と同時に数億円を失う恐れがあるという。
引用元:niftyニュース
このまま今まで通り大坂なおみさんが二重国籍を維持すれば、アメリカの「国籍離脱税」を納めなくてよく、日本代表にもなれて、アメリカへの出入国やアメリカでの経済活動も自在にできるということになるようです。
法務省によると二重国籍の可能性のある人は全国に約89万人もいるそうです。
よって、これからも二重国籍のままが濃厚。
このままアメリカ国籍を離脱しなくても看過される可能性が高い。
◆大坂なおみがプレイヤーとして日本国籍選択したのは父親レオナルドがサムライだから!画像
しかし、プレイヤーとしては大坂なおみはすでに日本国籍!
娘の大坂なおみ選手がテニスプレイヤーとして活躍できるように、プレイヤーとしての国籍を強豪選手の多いアメリカ合衆国ではなく日本を選択したのは大坂なおみ選手の父親・レオナルドさんだと言われています。
画像:https://siam-information.com/archives/3156
2011年の時点では全米テニス協会は大坂なおみ選手に少ししか関心を抱かなかったということでしたから、当初はアメリカ合衆国の選手として登録することも検討していたのでしょう。
大坂なおみ選手はプレイヤーとしての所属国籍は「日本」をすでに選択し、活躍してきました。おそらくは2020年の東京オリンピックを視野に入れ、五輪選手としての活躍を想定した(父親の)選択だったと言われていますし、その後のプロテニスプレイヤーとしての活躍を考えるとスポンサー獲得のことも選手としては大きな課題となったと思われます。
画像:朝日新聞
日本では錦織圭選手という現役で活躍するプロテニスプレイヤーの前例が既に存在し、他国の実績ある選手に比較すると錦織圭選手はかなりスポンサーに恵まれていると言われています。大坂なおみ選手も日清食品をはじめとする日本のトップ企業からのスポンサーをすでに獲得していることから、国籍選択の場面ではスポンサーとの関係性も考慮して日本国籍から離脱するという選択はしなかったのかもしれません。
◆大坂なおみ選手の父・レオナルド氏が二重国籍問題が想定される中、日本国籍として選手登録した理由がサムライ! 画像
でも、理由はそれだけではなかったらしい。
大坂なおみ選手にテニスプレイヤーとしての国籍登録を日本にすることを勧めたのは父親のレオナルドさんだと言われていますが、そこには熱くなるエピソードがありました。
画像:https://ryoto-seeking-dailylife.com/oosaka-naomi-father-japanese-newyork
アメリカのテニス協会は、大坂選手の無名時代に支援する気がなかった
前述のように2011年時点では全米テニス協会は大坂なおみ選手に少ししか関心を抱かなかった、と言われています。当時の大坂なおみ選手は米国テニス協会のジュニア大会に多く出場していましたが、あまりよい成績を残せなかったことで、アメリカで注目されることはなかったのだそうです。
さらに、大坂なおみ選手のご両親はアメリカのテニス協会にに選手支援を直接申し込んだものの、しっかりとした支援はなかったのだそうです。
日本では早い段階から大坂選手を支援する動きがあった
一方、日本での対応はどうだったかというと、日本を代表するスポーツ用具の企業であるヨネックスは2008年の時点で大坂なおみ選手への用具提供を開始しています。(2014年からはプロ契約)現在でも大坂なおみ選手はずっと変わらずヨネックスの用具を使用していますね。
ヨネックス EZONE98
大坂なおみの事を支えてくれた多くの日本人がいた!
さらに2013年9月の東レ・パンパシフィック大会では日本テニス協会の女子代表コーチを務めていた吉川真司氏は、日本登録で出場していた選手を調べ上げ、その中から当時予選1回戦で敗退した若干15歳の大坂なおみ選手を見つけ出し、選手サポートするための対策を整えたと言われています。
大坂なおみ選手の才能についてをぐに当時の女子テニス代表監督だった村上武資氏と上田実強化本部長に報告し、連携して大坂なおみ選手をサポート出来る体制を作り上げたそうです。
具体的には大坂なおみ選手の来日時には味の素NTCで練習ができるように取り計らい、大坂なおみ選手が出来るだけ良い環境で練習や試合が出来るように裏側の整備やサポートを続けてきたそうです。さらに、吉川真司氏も大坂なおみ選手が出場すれば必ずコンタクトを取り続け、よい関係を築いてきたといいます。
当初大坂なおみ選手のご両親が支援を直々に頼みに行ったアメリカテニス協会も、2016年の全豪オープンで大坂なおみ選手が予選を勝ち上がり、本戦で3回戦に進んだ時には、さすがにその活躍とその才能に気づき、アプローチをしてきたのだそうで、
その時には掌を返したようにアメリカの女子代表監督が自ら出向き、多額の支援を提示したと言われています。きっと、日本での既存の支援よりも莫大な金額だっただろうと言われています。
パパ、レオナルドはサムライだった!
しかし、父親のレオナルドさんは、無名の時から娘を支援し続けてきてくれた日本への恩義を尊重したと言われています。レオナルドさんはアメリカ国籍の方ですから、母国への想いよりも日本に対する恩義を重んじるあたりがレオナルドさんこそサムライだな!!と思いますね。
さらに、大坂なおみ選手の母親の環さんが幼少期より子供たちに日本文化や日本料理を伝え続けたことも背景には大きくあるようで、大坂なおみ選手自身が
「私のメンタリティーは日本人に近い」
「食べ物など日本のものが好き。本当は内向的だから、日本の方がより自分は(メンタリティーに)合っているという感じがしている。」
と発言しているといいます。
◆国籍は世界!「選手ファースト」のヨネックス会長の大坂なおみ選手愛がステキ!!二重国籍問題も一掃する神ツイート 画像
2019年の全豪オープン初優勝以前に、グランドスラム初優勝の時点で、長年用具提供からのサポートを続けてきたヨネックスの米山勉会長は大坂なおみ選手のご両親にこんな話を伝えたといいます。
画像:https://resumedia.jp/2860.html
お嬢さんを守るのはあなたたちしかいない。
「世界一になった選手には相手が研究を重ねてくる。そんな時に練習ができなければ、燃え尽き症候群になってしまう可能性もある」
「日本では大変なことになっている。(帰国後は)あまり(イベントなどの)露出は入れない方がいいですよ。お嬢さんを守るのはあなたたちしかいないですから」
これには過去の苦い経験があったようで、ヨネックスと過去に契約していた外国人選手が、見事に4大大会で優勝した直後、喜びで歓声が暫く沸いたものの、母国での祝勝会などに追われてしまい、その後長く選手として低迷した苦い記憶があるのだそうです。
そうした、経験を踏まえて、本来なら自社製品の大々的なPRをしたいところを、ヨネックスは全米オープン優勝後の帰国時においてもイベントには大坂なおみ選手をあえて呼ばなかったのだそうです。米山勉会長は全豪オープンでの大会中は、日本からテレビ越しに声援を送ったのだそうです(笑)。
今回の、大坂なおみ選手の全豪オープン初優勝には選手ファーストのそうした愛情や想いが快挙に繋がったともいえるようです。

ヨネックスはいつも人目につかない影で大きな応援をするカッコイイ企業ですね。
余談ですが、ヨネックスからの支援のきっかけになったのは大坂なおみ選手の母親・大阪環さんが2007年に社長に就任したばかりの米山勉氏へ支援依頼の手紙を出したことによるそうです。
米山氏:バドミントンではトップだったけど、社長になって次はテニスでも世界のトップになろうとジュニア育成に取り組もうと思っていた時期だったから嬉しかった。丁寧に一所懸命に、娘である大坂選手のために時間をかけて書いていただいたことに感銘を受けた。
ちょうど、テニスでのジュニア育成に取り組もうという絶妙のタイミングで大坂なおみ選手のお母さんはお手紙を出していたのですね!
大坂なおみ選手のお母さんの娘に対する気持ちや、心がこもっていたことが特に印象的だったエピソードはまだ続きます。
とんでもなく素質があってすごい選手と判断したから、サポートすることになりました。ただそれは、他のジュニアの選手への判断基準と変わりません。
大坂なおみだからというわけじゃなくて、お母さんが時間をかけて手紙を書いてくれたことに心を打たれた。こういったことは短時間でできるはずもなく、心のこもった対応で非常に感銘を受けた。
大坂なおみ選手のご両親が一生懸命子供たちのために尽力していたことが分かるエピソードですね。
画像:https://spur.hpplus.jp/culture/celebritynews/201809/11/JIGZMRQ/
また、色々とカッコよすぎるヨネックス米山勉会長が掲げる社訓にもつながるスローガンは
『国籍は世界だ』
だそうです。

またカッコいいし(笑)
国籍がどうであれ、大坂なおみ選手が選手として継続した活躍ができ、大坂なおみ選手の心情にも即したベストの選択がなされるものだと思って、応援したいですね。
◆大坂なおみ選手が国籍選択をすると東京オリンピックの日本代表はどうなるの?フェドカップは?
ひとつ二重国籍問題があっても、おおよそ決定している事項がありました。大坂なおみ選手の場合、2020年の東京オリンピックについては現行の基本規定にのっとって行われた場合、日本代表としてしか出場できない状況でした。理由としてはオリンピックの規定によります。
オリンピック憲章では参加する競技者の国籍についての規定も以下のように設けています。
オリンピック憲章 Olympic Charter 1996年版
46.競技者の国籍
1- オリンピック競技大会に出場する競技者は、その競技者の参加登録をおこなうNOCの国の国民でなければならない。
2- 競技者がオリンピック競技大会で代表する国を決定することに関する紛争は、すべてIOC理事会が解決するものとする。
規則46付属細則
1- 同時に2つ以上の国籍をもつ競技者は、自己の判断により、どちらの国を代表してもよい。しかし、オリンピック競技大会、大陸別競技大会または地域別競技大会、もしくは関連IFが公認した地域選手権大会、もしくは世界選手権大会において、1方の国を代表した後はもうひとつの国を代表することはできない。但し、国籍を変更した者もしくは新しい国籍を取得した者に適用される下記第2項で規定の諸条件を満たしている者は例外とする。
2- オリンピック競技大会、大陸別競技大会もしくは地域別競技大会、もしくは関連IFが公認した地域選手権大会、もしくは世界選手権大会において、1方の国を代表した後国籍を変更した者、もしくは新しい国籍を取得した者は、このような変更もしくは取得の3年後までは新しい国を代表してオリンピック競技大会に参加してはならない。但し、この期間は、NOCと関係IFとの合意およびIOC理事会の承認を得て短縮されることがあり、取り消されることもあるものとする。
附則3.4省略 (財)日本オリンピック委員会HPより
つまり、大坂なおみ選手が他国籍でオリンピックに出場するには基本規定によれば、日本以外の他国を代表してオリンピックに出場するためには
「日本代表として出場した大会から3年を経過しなければならない」
ということになります。
スポーツ選手にとって3年は重い。
既に大坂なおみ選手は2018年4月にフェド杯に「日本代表」として出場していますので、国籍選択以前に規定により2020年の東京オリンピックにおいては日本代表選手としてしか出場できないことになっていました。
また、仮に2019年10月までの時点で仮に日本国籍を離脱し、アメリカ国籍を選択していた場合、46-1に記されている「参加登録をおこなうNOCの国の国民でなければならない。」に反することになる為、日本代表としての参加も危ぶまれることになってしまう状況でした。
けれども、2019年10月の日本国籍選択の宣言に付して「2020年の東京オリンピックで日本代表選手としての出場を目指す」という内容がありましたので、ここはもう疑いもなくそこへ向かっていくということになるでしょう。
◆番外編>大坂なおみ選手の姉・大坂まりの国籍選択はどうだったのか??画像
実は、大坂なおみ選手には1歳年上、つまり1996年生まれのお姉さんがいます。姉の大坂まりさんもプロテニス選手です。お姉さんは既に満22歳に達していますので、国籍選択期限を過ぎていますが、一体、どこの国籍になったのでしょうか?
大坂なおみ選手の姉・大坂まりさんも日本国籍を選択してた!
というわけで、オリンピックについては私たち日本人は日本代表である大坂なおみ選手を応援できることが濃厚です。けれども大坂なおみ選手のここまでの活躍に日本の人々や企業だけでなく、大坂なおみさんの中にも流れるハイチの血や父を介して触れたその文化、幼少期を支えたアメリカの土地、それらがすべて集まって大成したということを私たちは認識しておかなければと思います。
色々な国がかかわって生まれた大坂なおみ選手
記者会見での国籍に関する質問で、
「私は私。」
と大坂なおみ選手は答えたといいます。
おそらく、自分の国籍がどこであろうと、自分のそれぞれの国に対する想いは変わらないのに、日本、アメリカ、ハイチとそれぞれの自分の軸をつくったルーツになる国への感謝の気持ちが国籍選択というたった一つの事象によって「裏切り」だと思われたり、その国の民を「失望」させてしまうことについて大坂なおみ選手はとても繊細な感情を抱いているのだと感じます。
『国籍は世界だ』
そう言い切ったヨネックスの米山勉会長の言葉がここにきてまたじんわりしてきます(笑)
大坂なおみ選手の国籍問題はオリンピックをそうした「国別の戦い」から、選手を通して「国と国とをつないでいく戦い」としての形を実現させることになるのかもしれません。
いざ、世界を繋ぐ闘いへ!
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