出生時間不明の場合に西洋占星学ホロスコープで算出できないもの

◆ワンポイント占星学

■西洋占星学のホロスコープで出生時間不明の場合に算出できないものとは?

有名人の方であっても、出生時間までは不明な場合が多いです。

出生時間不明の場合に、分からないものとして、正確な各天体の属する星座(サイン)各度数各天体の属するハウスAscDscMCIC、は不明となります。
しかし、おおよその各天体の属する星座(サイン)は算出することが出来、ご本人の柱となっている各要素を把握することは十分可能だと思います。

 

■月の星座(サイン)が確定できない場合がある/西洋占星術で出生時間不明の場合の注意

特に、移動スピードが速く、個人性質に強く出るに関しては、正確な星座(サイン)が算出できない場合が出てきますので注意が必要です。

 

 

当サイトでは出生時間不明の場合は、一番誤差の少なく済む正午(昼の12:00)で算出しますが、それでも、前後6~7度の月星座の度数のズレが出て来ることは避けられず、したがって星座同士の境近辺の位置する場合は、正確な星座を算出することが不可能となります。

下記の図の場合ですと、月星座は出生時間によってうお座にも牡羊座にもなり得ます。
※しかし、隣り合う星座のどちらかとなる。

 

 

他の天体に関しても、月ほど頻繁ではありませんが、同じく星座同士の境近辺に位置する場合は、数時間のズレによる星座のズレが発生するケースがあります。

これらの点については、予め、ご承知おきください。

しかし、概ね、各天体の星座(サイン)に関しては属する星座を算出することは可能となっていますし、場合によっては、その人の性質から推測することも可能になるかと思います。

 

■各天体の属するハウス、Asc、Dsc、MC、ICの算出不能/西洋占星学で出生時間不明の場合の注意

個人の構成要素を分析していく上で、各天体の属する星座も非常に大事な要素ですが、同じくらい大事なものに各天体の属するハウスというものがあります。

 

さらに出生時間が分からない場合、ハウスと同時に決まってくるAscDscMCICという大事なポイントの算出も不可能となります。

 

特に、以下は主観となりますが、AscMCが不明となる事は、その人の人となりの大筋が見えにくくなる意味で、「鳥の目(マクロ)」で把握することが難しくなる気がしています。(太陽・月と共に「運勢四大代表」と呼ばれています。)

 

各天体による異なる様々な星座やハウスで構成された各個人の内部というものは、多くの場合、相反する様々な性質が内在しており、場合によっては葛藤し合っています。各天体の属する星座やハウス、アスペクトを把握することで「虫の目(ミクロ)」の情報を把握していくことは可能です。

 

しかし相反する各性質の中で、その人物が選び進んでいく大きな流れ、魂の求めているものなどを見ていくには「鳥の目(マクロ)」で把握することも、時に大事になってくると思っています。

 

■ハウスとは?/かんたんメモ

ハウスは星座(サイン)の境とは異なる境をもって、成立しています。各天体の位置するハウスを見ていくと共に、ハウスに対する星座も見ていきます。

例えば、以下の図の場合、10ハウスの大半は双子座が占めていますし、牡牛座も蟹座にも跨がっていますが、10ハウスは「牡牛座」として見ていきます。

各ハウスは、各星座と似たような性質を割り振られています。

1ハウス牡羊座に対応するテーマ
2ハウス牡牛座に対応するテーマ
3ハウス双子座に対応するテーマ
4ハウス蟹座に対応するテーマ
5ハウス獅子座に対応するテーマ
6ハウス乙女座に対応するテーマ
7ハウス天秤座に対応するテーマ
8ハウスさそり座に対応するテーマ
9ハウス射手座に対応するテーマ
10ハウス山羊座に対応するテーマ
11ハウス水瓶座に対応するテーマ
12ハウスうお座に対応するテーマ

例えば、上記図の場合、太陽星座は「うお座7ハウス」にありますが、つまり、「うお座」「天秤座」のテーマを背負っていると思って貰えれば、おおよそ良いかと思います。

 

ハウスは所属する天体がどのように活躍するか?その舞台を示します。従って、人生で起こる本人の人生にとって影響の大きな出来事は、ハウスを読み解くことでその意図、役割などを読み解くことが可能となります。

 

■西洋占星学でのAsc(アセンダント)とは?/かんたんメモ

Asc(アセンダント/上昇点)は、出生時に東の地平線上にあった星座(正確には、生まれた時に位置していた東の地平線と太陽の通り道である黄道の交点のこと)なのですが、

その人の外観(見た目)のイメージや基本的な行動パターン等、主に表面化する雰囲気を示すと言われることが多いです。無意識にも相手へ印象付ける姿(他人目線)という事です。

周囲(人や社会)に与える第一印象という要素(どのように見られがちか)であるという事で、本人としては内面を構成する自覚ある性質と比べた場合に多少ズレを感じることも多いです。アセンダントは「ペルソナ(仮面)」と表現する方もいます。

 

ですが、私の場合は年齢と共に徐々に納得(自覚)し、受け入れて武器にしていくべき要素なのかもなと感じています。なぜなら、その性質はたとえ自分の内面とは異なっていたとしても、外部に対しては、苦労をしなくても非常に効果的に使える性質だからです。(効果を出しやすく運用しやすい武器)。

 

余談ですが、Ascより前にある星座(サイン)は前世で学んだり経験してきた事柄と言われています。(上記の図で言うと「獅子座」のゾーンの学びを過去世で行っていたということ)

ASC1ハウスの始まりの地点でもあることから、1ハウス的な要素を含んでいます。1ハウスは「牡羊座」の司る性質に対応するテーマでもあり、自分自身、セルフ、誕生、身体的特徴、生命力、人柄も意味します。

 

■西洋占星学でのDscとは?/かんたんメモ

Dsc(ディセンダント/下降点)とは出生時に西西の地平線に沈みゆく状況だった星座(サイン)のことです。
本人の他者とのかかわり方、どのような人々と関わっていくのか?、自分を取り巻く環境などを示すと言われています。

 

 

自分自身のこととして考えていくと、Dscにある星座(サイン)の要素をもつ人々に対して、私は興味や好意をより強く抱く傾向にある気がしています。そこから考えても、Ascと180度というアスペクト(一般的には葛藤ある角度)の位置であるDscのサインの人へ強い興味を持つわけですから、自身が共感し求める性質(自覚する自身の性質)Ascとはズレているというのが納得いく気がしています。

 

DSC7ハウスの始まりの地点でもあることから、7ハウス的な要素を含んでいます。7ハウスは「天秤座」の司る性質に対応するテーマでもあり、他者、社会、対人関係、バランス感覚、二元性、結婚、パートナーシップなどを意味します。

 

■西洋占星学でのMC(ミディアムコエリ)とは?/かんたんメモ

MC(天頂/ミディアムコエリ)とは出生時の南中点にあったポイントで本人の社会的地位や目標、社会的役割、職業、理想などを示すと言われていることから、「未来」の方向性と相関性が出て来ることが多いです。

 

また、社会的な性質を示す部分でもあり、本人の自我がどのように社会に反映されていくか、社会における性質の部分を示すとも言われています。より内面的な部分も加味して出て来るように思います。

総合すると、本人が将来的に社会で目指し、成立していく姿と言ったところでしょうか。

MC10ハウスの始まりの地点でもあることから10ハウス的な要素を含んでいます。10ハウスは「山羊座」の司る性質に対応するテーマでもあり、権力を握っていく法則や基準、到達点、貢献できる業種や社会適正、つまりは「自分が目標として望むものと、社会で成果が出やすい役割の交点」というイメージが私はしています。

 

 

■西洋占星術でのIC(イムムコエリ)とは?/かんたんメモ

IC(天底/イムムコメリ)とは出生時の北中点にあったポイントで、本人の心が安らぐ拠り所故郷自身の落ち着く環境などを示すと言われています。

 

 

IC4ハウスの始まりの地点でもあることから、4ハウス的な要素を含んでいます。1ハウスは「蟹座」の司る性質に対応するテーマでもあり、家族、身内、先祖や家系、安全、居場所、深く感じる、処理発達などを意味します。

 

■【まとめ】西洋占星学ホロスコープを見る時に出生時間が分からない場合

以上の内容から、ホロスコープを見ていく上で、出生時刻が分からない場合についてのまとめをすると・・・

 

■ごく基礎的な本人の性質把握においては、そこまで気にしなくても大丈夫

 

という事になると思います。なぜなら、各天体の属する星座(サイン)が把握出来るだけで、素質として具備されている星座(サイン)からの特徴や要素は概ね把握できるからです。

 

ただし、概ね把握できていたとしても、それはおよそ半分くらいの要素であり、残り半分くらいは全く別の要素が加わってくる可能性もあると思ってみていくことは同時に大事になります。

 

■その人の人格思想人となりは単純に太陽星座で構成されているわけではなくて、各天体の属する星座(サイン)、ハウス、ハウスの星座、各天体同士のアスペクト、感受点などのブレンド(総合的構成)であり、それがどのように現象として影響を及ぼしていくかは、都度、時期のホロスコープや相手のホロスコープなども関わってきます。よって、すべて加味して初めて最も精密なものが算出できる、という事になります。

 

正確に算出しその意味を把握すること自体が、そもそもかなり難しい、という事でもあります。

 

 

例えば私の場合、学び始めの序盤は、多くの天体が火の星座(サイン)である牡羊座に集中しており、太陽星座もそこにあることから、序盤、その星座のような構成要素が強いのかな?と思って暮らしてきていました。

 

ですが、確かに要素としてあるのは分かるものの、どうも多くの割合を占めているとは思えない気がするというふつふつとした思いが同時にありました。(性質的にそこまでカラッとしていないし、リーダーの役割を果たす意思がだいぶ希薄なため)

 

その後、暫くして、ホロスコープが実に効いている!という個人的な事件があり、徐々に勉強をしていくことになったわけですが、学び進めるうちに、その私の天体の多くが属する星座(サイン)はその殆どが11ハウス(つまり風の星座である水瓶座的フラットな人間関係のテーマ)にあり、

 

さらに、11ハウスの星座となると、私の11ハウスは星座を跨るハウスだった為に、うお座(全ての概念の境を溶かして愛する)も天体の数だけ強烈に効いてくる配置構造だったのでした。

 

だから、内面が支離滅裂でカオスだったのか・・・とかなり納得(笑)

 

 

ですが、だからと言って、最初の各天体の属する星座(サイン)を知ることが全部無駄か?というとそんなわけではなくて、

確実に存在する、その人を構成する構成要素の一部を知ることが出来るという意味で、非常にアプローチとしては有益であると思います。

 

かならず、その資質は構成要素に組み込まれている、という事ですから。

 

■占星術は、理解しがたい人の行動原理を理解できる自分になる為にある

ここまでのお話でも分かりいただけたかと思いますが、「あの人は●●星座だから、こうこうこう」という風に使うのは、かなり安直で危険な使用方法です。

そして、私個人としては、主に自己利益や営業販売のための「心理学テクニック」「マーケティング」のような、誰かのよく分からない数字のデータがあったとしても

 

何と言うか、人のこころをあまりにも軽んじて、操り、支配しようという気持ちがある分野には、基本的にあまり係わりたくないと感じています。また、占星学もそういった趣旨で使っていくことはお勧めしたくないです。

 

私が占星学を学んで、初めて理解することが出来たのは「私の父親のこと」でした。私の父は、同類異種の食べ物や物事を比較分析することが好きな人で、家族中があからさまに迷惑しているというのに毎年、綿密な準備と計画をして複数の伊達巻を購入し、家族を巻き添えにして正月から食べ比べを行い続けているのですが(笑)

 

 

それは、父の星の中に強くある「乙女座」の気質が影響していることが何となくわかるようになりました。

 

伊達巻くらいであれば、そんなに気にするほどのことでもありませんが、家族だけでなく、同僚や友人、上司、知人に対して「何でこういう場面でこういうこと言っちゃうかな?」という場面ってないでしょうか。

 

自分や関係者にとって、デリケートな部分に関する事柄や、あまりにも理解に苦しむ事柄についてそうした事象が起きた時、どうしても人はその人をジャッジしてしまうことになります。

 

けれども、占星学を深めていくと、各星座が持っている「指針」「思想」「行動原理」「趣味」「思考」「理想」のようなものが徐々に理解できるようになり、
●「なぜ、あの人がこの場面でそのことにこだわったのか?」
●「なぜ、あのような発言をしたのか?」
●「どうして、あんなことをしたのか?」
ということの源となる要素を知ることが出来るようになってきます。

 

つまり、今まで自力では理解できなかった人の、理解に苦しむことが、理解できる自分になっていきます。人を自分の勝手な認識でジャッジしていくという事が無くなっていきます。

人をジャッジしなくなると、面白いもので自然と人のジャッジも気にならなくなります。
人を無駄に嫌いになったり、たとえば親を毒親だと思ったり、人を人でなしと思うことも少なくなります。(いったい私はどんだけエラそうな人間だったんだ(笑))

 

星座や星には、良し悪しなんてありません。
どの星座もみんな素晴らしい資質を持っています。

そして皆、別々の目的、理想、やり方、視点、思想を持って動いています。それが宇宙秩序の中で各星座や天体がそれぞれの目的へ向かって動くことで、絶妙なバランスと秩序、均衡を保っているというミラクルな仕組みになっている事が分かります。

 

 

それが分かってきたとき、
星は昨日と同じように瞬いて、
あなたの生を
祝福してくれることでしょう。
星は瞬きながら、
いつも讃美歌を歌っています。

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